小説:俺は弟が大嫌い。 5 「どうしてあんな奴等から愛されたいの?いいことなんて何一つ無いのに。」 「兄さんには俺がいるでしょ?」 「あんな奴等どうでもいいでしょ?無理に勉強なんてしなくていいじゃん。」 「兄さん、きっと耐えきれないと思うよ?」 弟は俺が必死に勉強している理由がわかっていたらしい。 そして、それが気に入らなかったようだ。 ずっと投げ掛けられる言葉。 うるさい、うるさい! 愛されてるお前に何がわかる! ーしかし、俺はさすがに力尽きた。 2年間遊ばずに続けた努力も無駄なのだと悟った。 そして、その反動のせいか、親に反抗するようになった。 ああ、智樹のいう通りになったよ、クソ。 荒れていく俺を、満足そうに弟が見ていた。 [*前へ][次へ#] [戻る] |