小説:俺は弟が大嫌い。 3 しかし、努力が実を結ぶことはなかった。 授業についていくのが精一杯で、とても親の期待には応えられていなかった。 しかし、弟は違った。 俺より明らかに少ない勉強量なのに、もう4年生の範囲まで理解していた。 そんな弟に親の感心が向くのは当然のことだった。 普段笑顔を見せない母親が弟には笑いかける。 出張でほとんど家にいない父親が、わざわざ弟宛ての電話を頻繁かけてくる。 その事実は、小学生の俺の心を酷く傷つけるものだった。 そして、もう一つ俺の気に入らなかった点はー… 弟は、両親に対して無関心であったこと。 [*前へ][次へ#] [戻る] |