小説:俺は弟が大嫌い。
15
「おーい、文弥ー!」
「あ、颯太(そうた)」
なんだかんだで俺はこの学園生活をエンジョイしている。
こいつは、入学してすぐ友達になった颯太。
弟のせいでろくに友達なんて作れなかったからよくわからないが、こういうのを親友と言うんじゃないかと思ったりする。
「次移動だから急ごう…って、また弟?」
「あー…まぁ、な」
颯太には弟のことを全て話してある。
俺が悩んでるのに気付かれ、話さざるを得なくなったからだ。
今ではよく励まされたりしている。
「そか、もうすぐ12月だもんなぁ…そろそろ中3共が進路を決めている時期だよなぁ」
「もし、来られでもしたら…俺、どうしよう?
「落ち着けって…大丈夫だって」
弟の関わらない生活の心地良さを知ってしまった。
だから余計に、あの頃に戻るのが嫌だ。
颯太の必死な励ましも、俺の不安と取り除くことはなかった。
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