小説:俺は弟が大嫌い。
13
「あんた、邪魔なのよ…出来損ないのくせに智樹まで唆して」
未だに根に持っているらしく、キツイ言葉をぶつけられる。
はは、相変わらず最低な親だな。
「さっさと追い出したいけど…私の子供が中卒なんて許せないから、高大一貫で全寮制のこの学園に行きなさい」
パンフレットを渡され、話は終わりだとばかりに母親は立ち上がり、出掛けて行った。
俺に選択肢はないってわけか。
なるほどね、家に二度と帰って来ないように高校も大学も決めてしまおう、ということか。
俺もこんな家に戻りたいと思わないし、大学卒業はさせてもらえるだけ感謝しよう。
それに、弟から離れられる。
そう思い、リビングから出ようとすると弟が立っていた。
「寂しいな、しばらくしたらまた一年間兄さんと学校が違うなんて」
微笑しながら言う弟に向かって鼻で笑った。
「何さ」
「お前と俺が同じ学校に通うことはもう二度とねぇだろーよ」
勝ち誇った気分でリビングを後にした。
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