小説:俺は弟が大嫌い。
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「今までそれなりに好きでもない勉強をしてきたのは…あんたの関心を俺に向けさせるため」
弟は無表情で淡々と話す。
「兄さんは俺だけのモノだから…いくら親のあんたでも渡す気はない」
「…はぁ?」
母親は完全に固まり、俺が間抜けな声を上げてしまった。
「兄さんをアイシテルのは俺だけ…兄さんのいいところは俺だけ知ってればいい」
前から、小学生らしくない奴だとは思っていた。
もちろん良い意味で。
優秀な頭脳に、端正な顔。
しかし…
今は違う意味で小学生らしくない。
狂気を感じる発言に、歪んだ笑み。
恐怖を感じた。
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