病気×平凡(リクエスト小説) 7 僕はできる限り急いでその場から離れた。 病室まで戻ってきて、漸く落ち着くことができた。 そして、さっきの子…ゆきのことを思い出す。 人形ような目をしていて、少し怖いと思った。 無表情で、声も抑揚がない感じ。 そんなこと思うの失礼だと思ったから、態度には出さなかったけど。 彼に、ゆきという名前はとても似合っていると思った。 肌は真っ白で、雪みたいだった。 だから、不安になった。 放っておいたら、雪みたいに消えてしまう気がしたから。 また明日、会いに行こう。 もっと仲良くなりたい。あの綺麗な顔が笑顔になったらきっともっと綺麗だ。 僕はずっとそんなことを考えていた。 ゆきと、関わってはいけなかった。 それに気付くのはもう少し先のこと。 [*前へ][次へ#] [戻る] |