病気×平凡(リクエスト小説)
5
「こんにちは!僕、陽っていうんだ。君、なんて名前なの?」
初対面の人には挨拶してから自己紹介って、先生が言ってた。
だからその通りにしてみたのに。
目の前にいる子は何も言ってくれない。
なんかおかしかったのかな?
「ねぇねぇ、友達になろーよ!」
再度話しかけてみる。
「…ゆき」
「え?」
「なまえ。ゆき」
さっきの僕の質問に答えてくれたようだ。
漸く顔を上げてくれて、視線が合う。
その子は、凄く綺麗な顔をしていた。
「ゆき君っていうんだ!すっごい綺麗な顔してるね!よろしく!」
あ、綺麗とか余計だったかな。
「ゆき君ー?ここにいるのー?」
後ろから、誰かの声がした。
看護婦さんだったらまずいから、隠れなきゃ。
「あ、僕もう行かなきゃ!また話そうね!」
早口で別れを告げて、その場から離れた。
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