病気×平凡(リクエスト小説)
20
あれからもう数日は経つだろうか。
あの後、気がついたら知らない所にいた。
窓が無いのは、逃げられないようにするためかな。
窓があったって、逃げられないからどうでもいい。
足首についた傷を眺めて、そんなことを考える。
ああ、もう何か考えることもしたくない。
何を考えても、僕がここから死ぬまで出られないという事実が変わることはない。
ふと、同じ部屋数にいたゆきと目が合う。
あれから、ゆき以外の人間に会ってない。
「なにかしてあそぶ?それとも、なにかほしいものでもある?」
「自由…かな」
なんの期待も込めずに言ってみる。
「ごめん、それだけはあげられない」
ゆきが悲しそうに微笑む。
俺の手を握りながら。
冷たい、な。
僕はゆっくりと目を閉じた。
END
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