病気×平凡(リクエスト小説) 10 あれから、僕とゆきはどんどん仲良くなっていった。 看護婦の佐野さんがうるさくて病室から出られなくても、ゆきのほうから会いにきてくれたりした。 ゆきは随分喋るようになり、お互いのことを沢山知れた。 ゆきはずっと病院で暮らしてて、会話が得意じゃないとか。 でも、病室にいつも家庭教師?が来て、勉強を教えるから勉強はできることとか。 「ようのなまえは、たいようの、ようだね」 「え?そーなの?」 自分の名前なのに知らなかった。 漢字は苦手で、ほとんどひらがなで書いてたし… 「うん、あったかくて、ようにぴったり、だよね」 「そ、そうかな」 ゆきが、笑顔で頷いてくれる。 ゆきの笑顔は、やっぱり綺麗だった。 ゆきとの平和な入院生活。 退院まで、このままでいられると思ってた。 [*前へ][次へ#] [戻る] |