小説:生徒会庶務の災難
4
生徒会室に戻ると、副会長がいなかった。
「あれ、副会長は…」
「転校生を迎えに行ったよ」
俺の独り言のように小さな言葉を聞き逃さずに、会長が言う。
「転校生…」
それはまた随分珍しいな。
この学園に途中から入るなんて大変だろう。
試験もそうだが、なによりここはゲイとバイの巣窟。
慣れるまで時間がかかるだろう…
この学園は初等部から大学まであり、ほとんどの生徒は初等部からの生徒だ。
俺は高校からだけどね。
入ったばかりの頃はいろいろ異常すぎて驚くことばかりだったな…
「そんなに副会長がいないのが残念か?」
思い出に浸っていると、いきなりフンッ、と鼻で笑いながら会長が問いかけてくる。
なぜそうなるんだ、と睨み付けたくなったがここは我慢。
どうせ俺を起こらせたいだけなのだし。
無視して仕事を初めると、会長は不満気に舌打ちをした。
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