小説:生徒会庶務の災難
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「翔太、また会えて嬉しいです…!」
「おう!!俺も会えて嬉しーぞっ!!」
「翔太…!やはりあなたは可愛くて天使のようです」
「なっ!!か、可愛いとか言われても嬉しくねーよっ!!////」
嬉しそうだな。
つーか何なのこの会話、キモいよ。
「翔太に紹介したい人たちがいるのです。生徒会のメンバー達ですよ。」
おい副会長、俺らのことはほっとけよ。
少し離れて見ていた俺らの方を向き、早く来いと目で言ってくる。
俺以外は嬉々として近づいていく。
仕方がないから俺も、書記の後ろに隠れながらついていく。
顔を出し、転校生を確認しようとすると、そこには…
…マリモ?いや、黒いから違うか。
低い身長に、埃まみれのボサボサなカツラ(絶対地毛じゃないよね?)。そして、今時そんなのどこに売ってんだ?って感じの瓶底メガネ。
簡単に言うと、見る人に不快感しか与えない見た目。
え、副会長はこれを可愛いって言ったの?
普通にキモいんだけど。
「え〜、どこが可愛いの〜?副会長おかしーんじゃない〜?目とか頭とか〜」
唖然としていると、会計が俺の気持ちを代弁するかのように言う。
「なっ!!おいお前、人を見た目で判断するなんて最低だぞっ!!」
それにしても、こいつ声でけーな。
副会長以上にうるせー。
「可愛かったらセフレの一人にしてあげよーと思ったのにぃ、ざんね〜ん。」
「なっ!!お前セ、セフレとかいるのかっ!?///」
あ、男同士ってとこには突っ込まないの?
「そーだよぉ。可愛い子限定だけどね〜」
「こら、会計!さっきから翔太に失礼な」
「そんなことしちゃ駄目だっ!!」
転校生にまでスルーされる副会長。
しかしそれでもいとおしげに転校生を見つめている。
ほんと、頭大丈夫か?
「そんな体だけの関係なんて、悲しすぎる!!自分の体は大切にしろよな!!きっと何か事情があったんだろ!?大丈夫、俺はわかってるからなっ!!」
いやいや、会って数分のお前に何がわかるんだ?
そんな空気が流れる。
会計の親衛隊の奴等は、余計なこと言うな、という視線を送っている。
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