小説:生徒会庶務の災難
15 side:双子兄
僕は朝陽。
この間、双子の夕陽と喧嘩した。
理由は、ずっと一緒にいようとする夕陽が鬱陶しかったから。
僕は悪くないよ!
僕が嫌がってるのにくっついてくる夕陽が悪いんだ!
夕陽の顔なんか見たくないから、僕は部屋に帰らずに、ずっと翔太の部屋に泊まっている。
始めはずっと翔太といれて嬉しかったけど…
「くそっ!!」
ガシャンと、何かが割れる音がする。
…またか。
時計を見ると、朝の8時過ぎ。
今までなら、とっくにいつもの生徒会メンバーが迎えに来ている時間。
でも最近、みんな来なくなってきた。
会長と会計はよく知らないけど、書記と副会長は仕事をやり始めたみたい。
皆が迎えに来なくなって、翔太はいつもイライラして何かに当たっている。
「なんなんだよ、皆…っ!!俺は誰からも愛されるべきなのに…!!最低だっ!!」
最近の翔太の口癖だ。
そんな翔太を見ていて、最近疑問に思ってきた。
翔太って、こんな子だったっけ?
僕の知ってる翔太は、いつも笑ってて、人のことをわかってあげられる子で…
じゃあ、この翔太はなに?
僕の好きだった翔太の面影なんてない。
…違う。
そんなこと考えちゃ駄目。
翔太は僕の大切な人なんだから。
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