リクエスト・企画小説
プレ一日一武
※武誕生日2009『雨がやんだら』からの続きです。





並盛商店街の出口寄りにある『竹寿司』二階8畳一間の和室、畳の上に胡坐をかいた山本武は、白いメモ用紙を腕組みしながら睨むように見つめていた。


『雲雀恭弥 5月5日 AM4:37並盛総合病院産婦人科 2916g』


先日の自分の誕生日に教えてもらった雲雀の誕生日。付き合い始めてから半年以上が経つというのに全然誕生日など眼中に無く、自分の誕生日を教えていないばかりか相手のものすら知らずにいたこの失態。
(・・・・誕生日、過ぎてなくてほんっと良かった・・・!!!)
山本は照れ隠しするように、赤くなった頬を俯かせて後ろ頭を掻いた。
しかし問題はここからだ。先日の自分の誕生日から既に4日。4月24日が山本の誕生日だった訳だが、考えてみると過ぎてこそいないものの、5月5日まで間が無さ過ぎる。
(もう8日しかねえし・・・!!!)
雲雀が風紀委員で忙しいのと同じように、学年が上がって更に山本は部活が忙しくなった。新一年生に色々教えなければならないことはあるし、現在春の大会真っ最中。おまけに今年山本は野球部の主将となったこともあり、当然なのだが初めての部長職に慣れるのに大変だ。
朝起きて朝練して、放課後練習して(ここで授業が出てこないのが山本らしいところ)帰って風呂だご飯だと時間に追われるようにしているうちに、いつの間にやら布団へ沈没して夜が明けてしまっている。
それはそれで野球大好き人間である山本にとっては幸せなのではあるが、そうは言っても大好きな人が迎える誕生日をスルーして良いわけが無い。どんなにささやかであってもお祝いくらいしたい。好きな人がこの世に生まれてくれた一年で一番素敵な日なのだから。
うーんうーん山本は首を捻る。
(雲雀の好きなもの雲雀の好きなもの雲雀の好きなもの)

並盛町 並盛中学(きっと現在は並盛高校も入っているだろう) ひらめの縁側 ハンバーグ 学ラン 屋上での昼寝 トンファー ヒバード ・・・ケンカ。

最後のものは余りいただけないけれど、取り敢えずこんな所なんじゃないだろうか。
(そうはいっても)
プレゼントをするにしたって、町をプレゼントって訳にはいかないし、ひらめの縁側は家に来ると大概父が奢ってしまう。学ランは実は裏に刺繍入りの凄い高級なものだからとてもじゃないけど手が出ないし、屋上昼寝はプレゼントしなくたってきっと授業をサボってやっているだろう―――風紀委員の癖に。


うう〜ん。

雲雀の大好きなもの雲雀の大好きなもの雲雀の大好きなもの







(・・・・・・・・・あった)



と、思う。多分間違いなく大好きだよな? と思うけれど・・・・。
頭に浮かんでしまった考えに、まるで沸騰した湯に入れられたタコのごとく瞬時に赤くなってしまった顔をマメだらけの手で覆い隠す。―――誰も見ている人などいないというのに。

雲雀の好きなもの


並盛町 並盛中学(きっと現在は並盛高校も入っているだろう) ひらめの縁側 和食 ハンバーグ 学ラン 屋上での昼寝 トンファー ヒバード ケンカ



俺の好きなもの


野球 親父 寿司 動物 そして雲雀



だからきっと間違ってない(・・・はず)
だから決めた!!







一日一武!!










うわぉ!という訳で雲雀誕生日まで一日一武ですー。

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あきゅろす。
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