リクエスト・企画小説
12月7日
たまに、ん〜1週間に二回くらい?朝のジョギングに次郎と走るようにしている。
俺の勝手な想像なんだけど、いつも固まってじっとしてるのって、肩が凝るっていうか、全身が凝るっていうか、とにかく疲れると思うんだよなあ。
獄寺に言ったら『お前の脳味噌って筋肉なのかメルヘンなのかわかんねえな。付き合いきれねえ』って呆れられた。
雲雀には、『ペットじゃないっていう意識があるなら問題無いんじゃない?でも君は・・・無理だろうねえ。ま、感情移入し過ぎないように気を付けなよ』なんて、何とも言えない目付きをされて。
適度な距離をおいた付き合いをしろっていうのは、未来世界での修行中スクアーロにも散々言われた。
だけど・・・だけど無理なんだって〜!だって次郎のやつ、もふもふできゃんきゃんでキューン!なのな!!
首のネックレスを外して次郎を呼び出すと、俺目掛けて飛び付いてきた。
「きゃわんきゅう〜ん♪」
「次郎〜!よしよしいい子にしてたな〜!兄ちゃんと散歩行くか〜?」
「アンアオ〜ン!」
犬ってなあ、笑うんだぜ。こう、口をニイ〜って広げて。そんでもってしっぽなんかはち切れそうに振ってさ!
そういうの見てると、兵器だってこと忘れそうになっちまうんだよなあ。
「よし次郎、首輪。な?」
秋田犬の次郎は大型犬なだけあって、段々大きくなって来ていた。
人には危害を加えたりしないけれど、やはり首輪が在るのと無いのでは、擦れ違う人の目は違うだろう(本当は、朝の人気の無い時間くらい、のびのび走らせてやりたいとは思うんだけど)。
靴を履いて外へ出た。
まだ明けない空の色にブルッと背筋を震わせた俺の手の中の綱は、既にグイグイ引っ張られている。
「商店街抜けたら、よ〜いドン!だぜ?」
「わふん!」
商店街のアーケードを僅かに照らすLEDの灯りの下、走りたくて仕方ない次郎を抑えるように歩く俺は、多分他人から見たら犬に引き摺られているように見えるに違いない。
次郎、力ついたもんなあ。
あと数メートルで出口だ。道路を走っているのはタクシーと走り出したばかりの市バス。
「行くか次郎!」
「アンッ!」
「よ〜い・・・・・ドン!!」


全速力で俺達は街を駆ける。まずはあの市バスに追い付こうぜ!




[*前へ][次へ#]
[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!