リクエスト・企画小説
京子&ビアンキ
「で、最後が私たちなんだけど」
「一番嬉しいプレゼントはって考えたら、それしか浮かばなかったんです」
そう言って、現ボンゴレ当主が未だ片想いしているらしい女と、アルコバレーノの腕利きヒットマンの愛人は、己の恋人であるはずのボンゴレ雨の守護者山本武の背中を押し、ザンザスの胸に押し付けた。
「ちょ!?笹川!ビアンキ!!」
「うるさいわよ山本武」
「私たちも色々考えたんだよ?でもザンザスさんの喜ぶものって中々思いつかなくって」
腕の中、だからって何で俺なんだよーっ!!俺は可愛くて華やかな女の子たちに少しでもザンザスの気持ちを晴れやかにしてもらいたかったのに〜!!と叫んでいる男に、大した抵抗などできるようにはまず見えない。なぜならば、その腕から体から緑と赤のリボンでぐるぐる巻きにされ、首で大きくちょうちょ結びにしてあるからだ。
・・・クリスマスと誕生日、間違っているんじゃないのかと思わなくも無い。
「じゃあ、渡したわよ」
「誕生パーティー行くまで、どうぞごゆっくり」
微笑だけを残し、二人の女は扉を閉めた。
ザンザスは顎に手を当て、リボンで巻かれている恋人を上から下まで眺める。
「解いてくれよ」
「まあ待て」
「・・・このままベッドに運ばれたりするのは嫌なのな」
「ああ、そりゃいいな」
「いやいやいや、よくねえから!」
首だけをぶるぶる懸命に振ってみせる山本は一体何を考えているのだろうか。つい二日前、どこぞから貰ったプレゼントに付いていた青いリボンで手首を縛って楽しませて頂いたのを思い出しでもしたのか。
困ったように上目遣いで睨んでくる山本の首の結び目をザンザスはゆっくりと解いていく。
「・・・プレゼント、なんだろ?」
「・・・・うう・・・不本意ながら・・」
するする するする
表面がつるりとしたリボンは、可愛らしいちょうちょを崩してしまえば肩から、腕からすぐに下へと滑り落ちて。
「じじいのとこに行くまで、存分に祝ってもらおうか」
「・・・・・足腰立たなくしてやる」
「そりゃお前だろ」


 まだまだ日が落ちるには早い時間。ヴァリアー邸のボスの部屋の窓はピッタリと閉められ、睦みあいの声がやがて掠れて聞こえなくなるまで、ザンザスは頂いたプレゼントで色々楽しんだらしい。





おまけ
「あー、すっきりした」
「あはは、うん、ちょっと山本君には可哀想だったけど」
「可哀想なんかじゃないわよ」
「ビアンキさん・・・」
本当はプレゼントは候補が沢山在ったのだ。なのになぜ山本武などという、いかにも手抜きと言わんばかりのものになんかしたのかといえば。
「絶対そんなものやるなって言われると、余計やりたくなるものよね」
「・・・・そうですね。心配だからとか、大丈夫かなとか、もう何年あの二人が付き合っているのか知ってるくせにいつまでも・・・」
自分達が、気分を害さないとでも思っているのだろうか。いつまでもたった一人のことを考えて心配げな表情を見せるお互いの想い人に。
もしも頭に来ないというのなら、それはその人を好きでないのと同じこと。
「嫉妬、て言われても仕方ないのだけど」
「・・・せめて可愛く焼もち、って言いませんか?」
ビアンキと京子は自分たちも呼ばれている九代目開催のザンザスの誕生日パーティーの会場に行くべく、タクシーを拾った。
本当はお楽しみ後の男の顔など全然見たく無いのだけれど、好々爺然とした九代目の招待を断るのは気が引けるし、何より山本の疲弊しきった顔を見て、少しだけ顔色を変える想い人達の顔が、ちょっとだけ楽しみのような気がしたから。



女だって腹が立つときは腹が立つのだ。その人を好きなら、好きな分だけ。




おわり
最後にはラブラブな二人の顔を見せられちゃって憤慨するリボーンとツナ(ツナは友人としてね)を見て、こっそり二人で笑っていればいいと思います。
ボスはぴばーすでい!!山本と幸せに〜!!
どんなことして楽しんだのかは、ご想像にお任せいたします(笑)

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