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だからここにおいで
山本が口を聞いてくれない。どうもあの骸と会ったとき以来僕達の間は何となくギクシャクしているような気がする・・・。
(なんだってアイツなんかのせいで、僕達がこんなふうにならなきゃいけないんだ!)
イライラする。前回やっと二人揃っての休日だったというのに、結局イチャイチャするどころか、邪魔者に茶々を入れられた挙句、山本の部屋を破壊してしまってその後始末は――――
「僕がしたんじゃないかっっ!!」
「ぅわっびっくりした」
思わず力が入って飛び出した僕の声にかぶった、聞き慣れた彼の低い声。
「山本・・・」
何で真後ろにいたんだろうか。そろそろ寂しくなって自分から近づいてくる気になったのかな?
「どうしたの?」
彼が怯えないようにやんわりと問いかける。なんと言っても彼は中学生の頃苛めすぎたせいか、僕に対して未だにある一部分で、何故か警戒しているふしがある。
「あの・・・さ、俺ひばりに聴きたいことがあって」
「うん。だからなに?」
いつもはあんなにカラリとしているくせに、聞きにくい事をききたい時は未だに上目遣いで僕を見つめる。(それを未だに可愛いと思っている僕も、進歩がないなとは思うんだけどね)
「あの、さ。なんていうか、ひぱりって骸と仲良いよな?」
「・・・・・・・・・・・はぁ?」
僕は一体どんな顔で返事したんだろう。山本はおもいっきり怯えて後ずさっている。
「だだだって!!他の人にあんな風に喧嘩腰になったり、ムキになったりしないじゃんか!!」
――――――――。
君の目に僕とアイツがどう映っていたのか、ひじょーーーーーっに不本意だけれど、今しみじみと分かった気がするよ。
・・・・なんで分からないかな。大切にしたいのも愛情を分け合いたいのも、こんな事言われて多少なりとも落ち込んでしまうのも、全部君だけなのに。
「ひばり・・・?」
がっくりと肩を落としてしまった雲雀に山本のとまどった声がかかる。
(仕方ない・・よね。こんな彼を好きになっちゃったのは僕なんだから)
俯けていた顔を上げると、僅かに自分より高い位置から心配そうに覗き込んでいる山本と目が合った。
「馬鹿だよねぇ相変わらず」
少しだけため息混じりに視線を逸らしながら。
「え・・?」
そんな僕にこころなし怖じける君、ねぇ本当に僕は・・・。
「僕とアイツのことを君がどう思おうと君の勝手だけど」
彼の左腕をしっかりと掴んで、大きな屋敷の広すぎる廊下を足早に歩く。訳が判らないような、そんな可愛い顔しても今日はもう離さないから。
「僕は君だけだから!!」
だから、この間の続きをしよう?
おわり
K様リク「liar!〜」の続きでした。ちょっとひばりさんがあんまりだったので(笑)
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