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いじめたいほど可愛い君
 ポトフを食べようとは言ったけど、『食べさせて』なんて言ったかなぁ・・・。

「ほらひばり、あーんってして」

満面の笑みでフォークに突き刺した骨付きのソーセージを差し出す山本。可愛いんだけど、僕は子供じゃないから一人で食べられるよ。

「だってひばり好き嫌い多いんだもん」

・・・ああ、そう。

ソーセージの次は人参が出てきた。何がキライって甘いのか野菜くさいのかどうにかしろっていうどっちつかずの味が気に喰わないんだよね。

「ひばりってば子供みてぇ」

そう言ってクスクス笑う君のほうが、イイコト思いついた子供みたいな顔しているよ?

「ほら、ちゃんと食べられた」

わぉ!山本マジックだね。3こもあった人参はいつの間にか跡形もなく僕の胃袋に納まっていた。毎日こうやって君に食べさせてもらっていたら、僕の食生活も随分多種多様なものになるんじゃないかな。

「んじゃ、結婚でもする?」

イタズラっぽくくるんとした目で僕を見つめて、いやだから可愛いからその顔止めてくれない?でないとまた痛い目を見るのは君だと思うんだけど。

「結婚してあげたいけど僕親の決めた許婚がいるんだよね(大嘘)」

 キライなものをペロリと食べさせられて、なんだかやられたって感じがして悔しかったから、ちょっとした意趣返しのつもりだったんだけど

「・・・・え・・?」

 大きな目を丸くして、山本が、持っていたフォークをかしゃりと落とした。



 ・・・・・・しまった。また苛めちゃったみたい・・・。



     おわり

このあと雲雀はショック受けた山本にしばらく口きいてもらえなくなったとか・

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あきゅろす。
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