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入学式
ひらひら


ひらひら










舞い散る





買ったばかりのランドセルは、武が走るたびに小さな背中で揺れている。穏やかな風、暖かい気温、すべてがおめでとうと声を掛けてくれているようだ。




―――お前も、見ているんだろ?




剛は急かすように先を走る息子に目を細める。泣き虫だった武、寝ぼすけだった武、引っ込み思案で、いつだって母親の後ろに隠れてばかりいた武。



母亡きあと、自分の手をしっかり握って、笑ってくれるようになった武。








でっかくなれよ 俺はずっと見てるから お前の進む道。





俺より




誰より




でっけえ男になれ





―――お前も、そう思って笑ってんだろ?




祝福の桜の雨を降らせて。







おわり
明日入学式なんだよ〜という訳で、突発トップでした。もしも武の母が亡くなっていたとして、その後1人で育てていたとしたなら、剛は感慨深かっただろうなぁと思ったのです。


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あきゅろす。
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