[通常モード] [URL送信]

ЙоνЁL
ページ:1

「離れたくないよ」
ぎゅっと掴む服の袖
あなたの困った笑顔



「忘れてたんだけどね、おいしいケーキ買ってきたんだ。だから最後に…」

最後最後って何回引き止めてるんだろう

わかってるのに
いくら時間を重ねても心が繋がることはもうないってこと

わかってるのに
あなたの心にはあたし以外の子がいるってこと

それでも今あなたと別れたら、永遠に会えなくなるんでしょ?
そう思うと笑顔で手を振るいい子を演じる余裕もなくなる

『ごめん、もう帰るわ』

「有名なとこのケーキでね、それで…」

『きりねーだろ?』

「………」

『本当に好きだった。ありがと。じゃあ…さよなら』

ほんの数p
あなたとあたしの距離

あたし忘れちゃったのかな?
あなたに触れる方法を
あなたに声をかける方法も…

去ってくあなたの大きな背中をただ見つめることしかできない

ガチャン
冷たい鉄の扉が閉まる
あたしたちの物語が完全に終わった音

こんな結末望んでなかった
こんな結末思いもしなかった

[次へ]

第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!