ごちゃまぜどころ
お友達を紹介します
ちわちわー。久しぶりの休みを満喫中な親衛隊隊長の花宮です
今日は朝から久々にベッドの下に眠るユーフォリアたちにお世話になってスッキリしたあと、お風呂を浴びてテレビの前でぐっだぐっだしている。楽しい。充実感すら感じる。こういう怠惰な生活を送るのが日常だった筈なのに何故今は月に一回こういう時間を作れるかすら危ういんだろうか。
ごーろごーろ。
「あ、そういえばゲームクリアしてないんだった」
のそのそと芋虫のように匍匐前進して、テレビの下のラックに入っていたソフトとゲーム機を取り出して寝転がったままコンセントに繋いで起動した。そしてまたのそのそと定位置に戻る。少しするとテレビ画面にゲームのスタート画面が映った。ちなみに僕は一度ストーリーを全部見て二週目からやり込む派である。そしてこれは二回目の途中。今日は一日地道に宝箱を探していくことに費やそう。
そう決意した時だった。
僕の携帯がリビングにあるテーブルの上でなり始めた。
→取りにいく
→無視する
→寝る
思わず脳内までゲーム仕様だ。
あのメロディーは親衛隊関係じゃないからなー。放置しても構わないんだけどー。でもなー久々に友達にも会いたい気がしないでもないでもぐだぐだ。僕の思考回路は先ほどのゲーム設置のごとくぐだぐだしていた。その間にもなり続けるマイ携帯。
「しょうがないなー」
よっこらせと立ち上がって携帯を手に取るとそのまま開いて耳にあてた。
「ちわちわー」
「久しぶりだな!」
数分後僕の部屋には客人が来ていた。
「タロ久々」
高野太郎、僕と同じクラスで友達だ。見た目が普通なら中身も普通。つまりドノーマルなタロは僕がここに来て以来いい友達として付き合って居る。見た目で友人関係がある程度限られてしまうここで自他ともに認める可愛い系である僕と平凡な彼が友人関係になるに至ったのは同室だったからである。
「最近大変そうだよなーお前」
「本当にね。もじゃ公のお陰で僕は見回りやら説得やらで大忙しだよ。しかもいまだに会長様に会えてないんだよねー。」
「…は?!お前隊長だよな?!じゃあ連絡とかどうしてんだよ?」
「書面。もしくはパソコンでメール。」
「えー隊長すら会えてないってそれじゃあ……。親衛隊って会長の大奥って噂だったんだけど?毎日ローテで仕事ほっぽり出して生徒会室でお楽しみって話。それのお陰で残りの生徒会が仕事出来なくて困ってるって話。あ、ついでに花宮隊長といえばお局様って噂もあるみたいだぜ。まあ最後のは完璧嘘だろうけどよ。」
「大奥って…会長のセフレの話だよね?そんな管理が大変そうなものうちにはございませんが?しかも僕がお局様とか…やらなきゃいけないなら悪いけど逆に僕が食うね。」
「…お前そんな見た目でドノーマルの遊び人だしなー」
「遊び人ってなんだか昭和な響きやめてよ。それに一夜限りとはいえちゃんと愛はあったんだよ。」
「その言葉是非俺の同室に聞かせたい。」
「ああ、噂のタイガーくん?」
本来一年の時から同室は変わらないのが普通なのだが、僕が隊長になってしまったためそれはかなわなかった。僕はひとり部屋を与えられ、タロは新たな同室者を得た。それがタイガー君こと佐藤大雅である。この学園内では不良の位置に居る少し素行が悪くて少し喧嘩っ早いそんな生徒である。見た目は整っているのだがいかんせん不良ルックが怖いらしく普通の子は近づけないらしい。そんな彼もちゃっかりここに染まっているようでよく部屋に連れ込んでいる。
寮内は基本防音なので音は聞こえないらしいがよく朝になると涙を流しながら追い出されてゆくお相手にタロはご対面するらしい。
「お前のそれを少しでもあいつに分けてくれれば俺は何度も朝あいつのお相手の愚痴相手にならずにすむんだけど」
しかもお節介にも程があるタロは泣いてる子をスルー出来ないらしく親切にも相談に乗ってあげてるというのだからどうしようもない。二年になってからまだ数ヶ月しか経っていないのにもうタロの相談フォルダには二桁にも登る相談者のメアドが納まっている。
「ん、あ。」
「どしたん?」
「佐伯と原田から。あいつらもこっち来るって」
携帯を開きながらそう言ったのと同時に部屋にチャイム音が鳴り響いた。
「うーむ。アイツラ、いなかったらどうするつもりだったんだろうなー?」
「後先考えないのがあの二人じゃん?」
その後やってきた二人を交えて対戦ゲーム。久しぶりの友人たちに素でテンションが上がってついついオールしてしまった。
そういえば今日はケイが来なかったな。珍しい。友達紹介するってメールで送ったのに。
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