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ごちゃまぜどころ
見つからない
こんにちわ、最近更に加速して崩壊への道を爆進している親衛隊を涙目で引き止めてる花宮隊長です。

「みんなぁー。苛つくのも分かるしぃ、僕だって会長様や他の生徒会の方々にあんな馴れ馴れしい転入生はどうかと思うけどぉ。実際にまだ会長様に実害があるって報告を頂いてないからぁ。制裁はしちゃだめだよぉ。」

制裁に関する緊急ルールその一。崇拝対象から直々に実害がある等の確証を得た場合のみ特例で制裁の実行を許可する。みんなの暴走を止める為にこうゆうルールがあと何個かちらほら。実際会ったことのない会長様にもこの内容は正式な書面にして提出した。そのことはみんなにも伝えてある。このルールを守れば大分親衛隊へのイメージの改善になる。そしたらいつか月一のお食事会を開催してみたいと思う。だから約束は守ろうね。お兄さんとの約束だ。みたいな旨を親衛隊クオリティで伝えたところみんな健気に守っている。

それでも心配だから一応僕も授業をちゃくちょく抜け出して巡回してる訳だけど。今だにうちの隊からの制裁は見つかっていない。

多分、今他の親衛隊が更に信頼を失ってるからその中で信頼を保ち続ければ普段よりも効果的に印象が良くなる。今が頑張り時だという旨をメールで全員送信したのが効いたんだと思う。

うん。みんな単純で嬉しい。

それにしても。

「会長様今だに見つからないんだけどおおおおお!」

「うおっ。や、止めろ。シェイクすんなこらあああ」


僕はあの日以来ほぼ毎日のペースで僕の部屋を訪れるようになったケイの胸元を全力で揺さぶりながら叫んだ。

気が合うなと思ったのは僕だけでなくケイもらしく。次の日の夜にいきなり僕の部屋に訪れた。前日のボロボロさは少しマシになっていたが髪の毛は相変わらずボサボサだった。滞在時間は本当に数分やそこらなんだけど着実に仲良くなってることは確かだ。メアド交換もちゃんとした。


「ケイーマジで会長様今だに会えてないんだけど。書面でのやり取りは何度かしてるけど今だに影すら見ない!この前の侍イケメンも会長じゃなかったみたいだし!」

そうなのだ。今だに会長親衛隊隊長のこの僕は親衛している対象に出会ったことがない。今更人に会長様ってどんな見かけかなんて聞くことなんて出来ないので小耳に挟む親衛隊の噂話をもとに探し回っているというのに。

「どこにサラサラ黒髪イケメン。可憐でカッコ良いのに可愛さも兼ね備えていてオーラはなんか目が潰れそうなくらいの勢いの天才肌でカリスマ性たっぷりで一目みたら跪きたくなるような俺様で清廉潔白でいてエロスでフェロモン出てるスポーツ万能で頭脳明晰で十月生まれの趣味は読書の好物は苺とかギャップを兼ね備えた完璧人間がいるんだよ?!」

ゼエハアゼエハア息を吐きながら脱力。ソファの上にドサリと倒れこんだ。


「…お前誰にそんなこと聞いたんだよ?」

「親衛隊内で聞き耳立てた結果。」

「へ、へえ。」

ケイノ顔が引きつっている。そうだよね、普通そういう反応しますよね。てゆうか清廉潔白でエロすって何?カオス過ぎるでしよ。


「つーか何でそんな会いたいわけ?好きじゃないんだろ?やり取りも文面で出来てるみたいだし会う必要性ないじゃねーか。」

床に座ったままケイは僕が倒れこんでいるソファに背を預けた。


「いや、だってなんか会長様にあった時に顔知らないとかなんか色々問題ありそうじゃん。あと書面じゃ確認出来ない体調と現状把握もしたい。何より今流れてる噂がどの程度真実なのかの確認したいんだよね。セフレ連れ込んで仕事放棄ってやつ。まあ、多分全体的に嘘なんだろうけど。」


確証がなーっと呟くと驚いたようにケイがこちらを見ていた。


「なんだよー。」

「いや、噂信じてないのか。」

「はあー?!むしろケイは信じてるわけ?取り敢えずセフレは親衛隊から一人も出してないのに一般の子がなれる程うちは甘くないし。書面のやり取りしてる時点で仕事放棄はないでしよ。」

うちの子誰も信じてませんよそんなこと。

「そんなことよりもこの噂の出どころの方が大事なんだよね。確実に会長様のこと陥れる気満々でしょこの噂。会長様に喧嘩うるってことはうちを敵にまわすってことなんだから。さっさと事実確認して犯人突き止めたいんだよねー」

「成る程。」

「そしたらそんな不憫なシチュエーションにいる、こんなカオスな評判の会長様のツラを是非とも拝んでみたくなった。」

「本音はそれか」

「(・ε・`)」

「その顔やめれ!」

べしっと僕の頭を叩いたケイはそのまま部屋を後にした。

本日の滞在時間は五分弱でした、まる。

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あきゅろす。
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