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ごちゃまぜどころ
8


「禍々しい赤い光ねぇ」

ふうんと態とらしく先ほどの言葉を繰り返す。

すると山中は驚いたようにその肩を揺らした。

そのフレーズで固まった俺が再度それを繰り返すとは思っていなかったようだった。

「教えてあげてもいいけど?」

先ほどの動揺を隠すように仮面を被る。それは里で被るものとは違う目の前のアホヅラ専用のもの。

にこりと微笑んだ瞬間じわじわと染まって行く顔にいつものパターンを読み取って、主導権があるべきところに。

つまりは俺のところにあるのを感じ取った。

「教えるって…」

「その代わり、さあ」

カタリと音を立てて椅子から立ち上がる。表情は未だに柔らかく。

時間が止まってしまったように動かない山中に好都合とばかりにゆっくりと近づいていく。

色を含ませたりはしなかった。逃げられては駄目だから。

それではいつものようにその意識を先程のことからそらすことは出来てもそれだけだ。

山中の目の前に立つ。

そしてゆっくりと腰を曲げて屈む。

右手で目の前のプラチナの髪を梳いて

そして…






その時、俺は山中の頭の中からそのことを消すことに必死だった。だからだろう、この行動が意味することに俺は気がついていなかった。

何故俺はここまで必死だったのかということに。

そして何よりもここで仮面を被るという意味に。





「…っ」

ハッと息を呑むのを見つめながら、俺はそのまま彼女に口付けた。




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あきゅろす。
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