ごちゃまぜどころ
下忍1
サバイバルゲームとやらで一応合格を貰えた七班。つまり俺らはその日からひたすら里の雑用をこなしていた。
ペットの捕獲、屋敷の掃除、雑草抜き。
こんなんで良いならさっさと下忍になっていればよかったとすら思った。
そんな浅はかな思考に罰が当たったんだろうか。
じっちゃんにたまには甘えることで喜ばせようと思ったのが間違いだった。渡されたいつもより少しだけランクの高い任務。戦闘無しの里外任務。ただそれだけの筈が。波の国へ向かう道中に数回襲われ、仕方なしに修行をするハメになり、カカシ先生の判断ミスにより余分に戦いに身を投じるはめに。
数週間にも渡る長期の任務にヘトヘトになりながらも家に帰るまでと自分に言い聞かせながら頑張った。
そんな俺を待っていたものは。
「山中ってさ、労わりって言葉を知らないの?」
疲れ果てた身体でやっと家に帰って来たのは数分前のことだ。扉を開いたら当然のように居た。言わずもがな山中だ。
しかも俺を視界にいれた瞬間飛び出た最初の言葉が。
「カフェラテ。牛乳たっぷりの。」
だった。
「山中気遣いってものを覚えなよ。」
コトンと音を立てながら湯気が立つマグカップを目の前に置いてやる。隣には波の国で買ってきたお土産を置いた。
「だあーってー!ここ数週間あんた帰ってこないし!周りに聞けば里外任務だって言うじゃなーい。あんたの入れるコーヒーと紅茶飲んでから普通の飲めなくなっちゃったのよー!おかげでカフェイン不足で死んじゃうかと思ったわよ!」
「俺に責任皆無だよね、それって。」
山中は相変わらずだ。なんてゆう傍若無人振り。
「あんたの入れるお茶が美味しいのがいけない」
「…他に言いたいことある?」
「お菓子市販じゃなくて手作りがいい。」
「ああ、そう」
「あと」
「まだあるの?」
山中のいつも通りの自己中っぷりに思わず笑ってしまいそうになる。それを隠しながら山中に目を向けるとカフェラテを飲みながらにっこり笑っていた。
こくりと一口飲んで一言。
「おかえり。お疲れ様。」
「…どうも。」
そういう不意打ちはどうかと思うんだ。
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