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文学本(脱色された鰤)
二人の隊長と…


「僕は今から約百年後の尸魂界から来た死神です。僕は護挺十三番隊十一番隊隊長 鬼哭槐道と言います。どうか百年後の護挺十三番隊を救ってほしい」


そう言って俺たちの前に現れたのは“自称”百年後の護挺十三番隊 十一番隊 隊長 鬼哭槐道。
白哉が鬼道を放ち、霊圧は緩むも緊迫する空気はまだ続いており、白哉と俺は神経を尖らせる。
「警戒を解いてください。」
「出来ぬ、それにその話は信用ならぬものだ」
「どうしましょうかねぇ…」
「な、なぁ、お前のその言ってることが1つでも信用出来ることを証明すれば良いんじゃないか?」

俺がそういうとにこりと鬼哭は微笑んだ。
「そうですね、その手がありました。僕の持っているこの白いのは隊長しか持てぬ羽織…これを羽織っておけば良かったですね」

そう言うと巻いていたモノをほどき、大きい白い羽織と刀が出来た。
それは袖の無い白い隊長用の羽織、刀は鬼哭の斬魄刀だろう。
「これは僕の斬魄刀の砂磁(さじ)です、引き寄せるだけの斬魄刀ですのでご安心ください」
「兄のその羽織は…」
「背中にちゃんと十一と書いてあるでしょう?朽木殿、これで信用できましたか?」
「兄様、信用してみてはどうでしょうか?」
「まぁ、そうだな…こいつの言う通り歴とした十一番隊の羽織みたいだし…何より剣八のと違って綺麗だしな」

俺とルキアがそう言うと眉間にシワを寄せ少し考え込んだ白哉、そして少し間を明けて話始めた。
「…ルキアが言うなら信用をしてみよう」
「助かりました、ルキア嬢」
「い、いや良いのだが…そのルキア嬢と言うのは…」
「僕の時代の貴女は隊長なんです、けど僕よりは年下なのでルキア嬢と呼んでいます」
「お前が隊長!?」「な、なんと…!」
「…総隊長殿に話をして来る、ルキア」
「は、はい!」
「では鬼哭槐道と言う男を頼む」

そう言い居心地が悪いのか足早に白哉は瞬歩を使い向かってしまった。
「では私がお連れしましょう、なんと呼べばよろしいでしょうか、隊長」
「君も僕の時代の隊長なのですよ、敬語は要りません。槐道とお呼びください、君もね」
「あぁ、よろしくな、槐道」
「あともう一人こちらに来てるので呼んでもいいですか?」
「こっちに来てるのか!」
「えぇ、まぁそうですね…ただ気性が荒いので注意を…!」
「どの口が荒いと言うのだ。貴様ほどではないぞ、鬼哭」

槐道の後ろから何処からともなく現れたのは白い羽織を羽織った死神、牽星箝(けんせいかん)をしその姿は白哉に思えるが白哉とは違う声にいつも巻いてある銀箔風花紗(ぎんぱくかざはなのうすぎぬ)がない。
「びゃ、白哉?」
「兄さま!!?何をしておられるのですか!」
「る、ルキア様!?あぁ、ルキア様でいらっしゃる!」

「ルキア…?」「様…?」

一護とルキアが頭の上にクエスチョンマークを浮かべてると槐道の霊圧が変わった。
「あぁ、百年前のルキア嬢を見て感動して…居るんだなァァァ!オォイ!」

槐道は叫びながら白哉と思われる男に斬りかかる、だがその攻撃はすぐに避けられる
「本性を現したな、だから兄とは組みたくはなかった…!大罪人めっ…!」
「はっ、大罪人ね…良いじゃねぇか…!」
「おい!槐道!いきなりなにしてんだ!」
「見ての通り斬りかかってんだよぉ!」
「いや、なんでだよ!白哉に似たそいつは敵か!?」
「ほう、白哉様ではないと見破るとは一応流石だ、死神代行。それと私は兄の敵ではない」
「はっ、俺の敵ではあるだろうよ!」
「槐道!とにかく斬魄刀を仕舞え!百年後はいったいどうなってんだ!!味方なのに敵なのかよ!」

一護が叫ぶも槐道は止まらず、白哉似の男も止める気はないようだが本気を出していないようだ。
「おい!槐道!」

一護はもう一度叫ぶ、その声を聞き槐道は戦うのを止めた。
槐道は斬魄刀を仕舞い、一護の方を眼を細め見、言う。
「なぁ、死神代行…気になるか?百年後はよ…」
「そんなのあんたら見てたら気になるのは当たり前だろ」
「…あまり兄の期待するものは無いぞ。見てくれの通りだ、百年後は槐道と私のこのよう事になっている。私は兄等の仲間であり、敵であり…とそのような腹の探り合いばかりだ」
「槐道殿達の依頼はまさか…!」
「百年後は今、死神達に紛れ込んだ裏切り者を探している、だがそれを探す第三機関な様なものは今存在しない…故にここへ来た。詳しくは総隊長下に行ったら話す」
「なら早く行こうぜ、槐道と…えぇっと…」

考えてみればもう片方の死神の名前を知らないと思った一護は言葉を濁らす、それをわかって白哉似の男は名乗り始める。
「私の名前は神々廻白哉と言う。兄達の名前はすでに知っている、死神代行の黒崎…だったな」
「名前は一護だ、神々廻」
「まったく…貴様が斬魄刀を私に向けなければすんなりと行くものを…時間の無駄をした。」
「あーあー、すまねぇなぁ」
「…鎖条鎖縛」
「てめぇぇぇえ!」
「では行きましょう、ルキア様…と死神代行」

「俺おまけか(てか、槐道はそのままじゃダメだろ…)」

だが槐道を置いていくルキアと神々廻、神々廻は自力で解きますから大丈夫ですと言ってルキアに着いていった。
一護は後ろ髪引かれながら着いていく。
その後、自力で鎖条鎖縛を解いた槐道が遅れて来て面子が揃った。
「な、なんか中からものすげぇ霊圧が…」
「前もって兄様が報告したからだろう」

ルキアはそう言うと大きな扉に向かって大きな声を発する。
「十三番隊所属!朽木ルキア!ただいま客人を連れて参りました!」

ルキアが発すると大きな扉はゆっくりと開いた、槐道は神々廻に目をやる。
「…神々廻」
「わかっている…すぅ…百年後より参りました!護挺十三番隊 六番隊隊長 神々廻白哉。百年前の総隊長、隊長、お目にかかり光栄でございます」
「僕は護挺十三番隊の十一番隊隊長、鬼哭槐道と申します。お目にかかり光栄でございます…」
「何猫被っている」
「あ?なんだとコラ!」
「殺るか?貴様など私は負けぬ」
「おいおい、坊っちゃんよ、言葉遣い荒れてんぜぇ?」
「貴様ぁ…!」「あぁ?殺るか?コラ!」

神々廻と槐道が些細なことで喧嘩をし始め隊長達は少し飽きれ、一護は二人を止めようとする。
「おいおい、止めろって。助け求めに来たんだろうよ、あんたら」
「うるせぇ!黙ってろ!一護!引き寄せ、砂ぐぁっ!」

槐道は突如何処からか投げられた浅打に当たり倒れる。一護たちは投げられたのは扉の方からだと気付く。
「槐道!?」
「この薄い霊力…なるほど、霊力が無い故に此方に飛ばせてもらったか…藍染」

神々廻がそう言うと皆ざわめき始めるが藍染は無視をし神々廻達に目を向ける。
「「藍染…!?」」

「神々廻隊長、私が飛ばされた理由はおわかりでしょう?」
「…すまぬ」
「全くです、おいたが過ぎますね。さて…起きなさい、鬼哭隊長」
「うわぁぁ!!あ、藍染!!てめぇなんでここに来てるんだ!」
「まさに意図的人選ミスですね、あなたたち二人は仲悪いと言うのに…副隊長に頼んで飛ばしてもらいましたよ」

そこに一護と平子が藍染に殺気向ける。
「藍染…!」
「お前いつ脱獄をしたんや…!」

「…平子真子…それに黒崎一護か…懐かしいね」
「懐かしい?」

藍染は懐かしい?と疑問をされたことに疑問をした。
藍染的には百年後の事情とこの時代の護挺十三番隊にすでに依頼をしているかと思ったからだ、だがしかし残念ながらまだなにも話してはいないようだった。
「…神々廻隊長、鬼哭隊長、あなたたちまだ話していないのですか?」
「…すんません」
「…仕方ない、私が話します」

藍染は改めて総隊長達の方を向き、それと共に凛とした空気が流れる。
「では改めて、百年後より来ました五番隊副隊長の藍染惣右介です。私のことは信用できないでしょうが彼等二人のことは信用してください」

最後によろしくお願いしますと藍染はそう言って頭を下げる、藍染の本性を知ってるやつなら驚きだろう。
実際の彼は冷徹で残虐な野心家、その彼がすんなりと頭を下げる。
「…また何かやるんか?惣右介」
「やるのは私ではありません、それに今の私には霊力は平隊員並み以下しかない」
「崩玉…だっけか?そのせいで毎日少しずつ霊力消えてんだってよ」
「おや、崩玉にそんなことができたのかい?面白いネ」
「理由はわからないが黒崎一護と戦った時に無くなり始めていたのだと思うよ、崩玉と一つとなり、そして鏡花水月が消えたのだからね。まぁ…だから今は斬術と白打と歩法でしか戦えないから安心したまえ」
「いや、どこを安心しろっちゅうねん!十分やないか!」

説明をしても戦っていないため実感をしてない平子はそう叫ぶ、藍染は内心やれやれと思いながら言葉を続ける。
「おや、そうかな?まぁ、いい。話を元に戻させてもらおう。」

そして話は始まった。

―――――――――――‐‐‐

私たちの居る、百年後は死神は一度護挺十三番隊が全滅をした世界だ。

全滅をさせた彼等には様々な種の者が居る。
死神はもちろんのこと、虚(ホロウ)、破面(アランカル)に生きた人間。
男も女も、人の形も獣の形や異形の者も。

彼等は 革命(レボルシオン)
そう彼等は名乗っている。

レボルシオンによって全滅させられたも運よく生き残ったのは3人と聞いている。
私はその間無間に居たからそこには入らない。

…新しく総隊長となった者を中心に流魂街より強いもの、貴族側より使命のために名乗り出る者、そしてその運命の渦に巻き込まれた者達により我等、護挺十三番隊は再び結成をされた。
だが問題はとある者の密告により始まった。
その密告の内容は「革命(レボルシオン)が紛れ込んでいる」とのこと。

百年後の護挺十三番隊には平隊員はほぼ居らず、居るのは隊長格のみ、だが彼等は仲が悪く信用も殆どしていない。
そこで第三者が来ることにより炙り出そうと考えたが全滅をさせられたのは護挺十三番隊以外にも四十六室なども無くなり第三者が居ない状態。
そこで時空を越える技術により百年前に来て彼等に見極め共に戦ってもらおう、そうなり私たちは来た。

‐‐‐――――――――
藍染は話終わり皆をみる
「まぁ、長々と喋りましたが早い話、人手不足で隊長格内に敵が居る、だから何人か来てほしいのですよ。現状を言えばあのときの私のように力を隠していると思いますからね、今のままでは絶対に勝てない…今度は流魂街も無くなるかも知れません」
「俺達が負けるって言うのかよ!」
「えぇ、そうです。すぐ斬魄刀を向け冷静さを無くす鬼哭隊長やいつまでも悲しむ神々廻隊長、そして…何かしら心に背負い前に進めない私たち護挺十三番隊には彼等に勝てない。だから来てほしいのです。私達が今を乗り越えるために、強くなるため…この希望が満ち溢れるあなたたちに!」

藍染の瞳は真っ直ぐと皆を視ていた。
そこには嘘がないと思えるぐらいに。
「なぁ、藍染。それ、俺も行けるか?」
「一護!」

一護の瞳は真っ直ぐ藍染をみる。
「…もちろんです」
「なら百年後に俺は行くぜ」
「一護…ならば私も行く!」
「すまぬがルキア様、行ける者と行けぬの法則があります。」
「その法則の一つは時代を越えるときに同一人物が居てはいけない…だっけな。つまり百年後、命亡き者だけ行ける…百年後は一護もそこの朽木隊長も居ねぇ」
「裏を帰せばルキアは生きてるってこった、良かったじゃねぇか」
「だが一護…」
「まぁ、一護と朽木隊長は確定だ、あとは佐助の機械で数名連れて来りゃ良い」

槐道が知らぬ名を出すと一護は槐道に聞くが答えるのは神々廻。
「佐助?」
「百年後の十二番隊の隊長だ」
「あー、神々廻、そろそろだ」
「時間か…」
「時間制限に法則…まったく、めんどくさいネ」
「…そうですね。それでは私は先に。私は佐伯副隊長の力で来ているのでね」

そう言うと藍染は扉から出ていった、そして槐道は二日後に来るからなと言い、すぅっと透け消えた。

そして二日後に物語は始まる。

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