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文学本(脱色された鰤)
彼との出会い

とある日の夜、いつもは寝ているんですがなんとなく店の外に出てみました。
なんか…気になったんスよね。
「…あれは…」

視線の奥には少しと大きめのホロウと死神、だが瞬く間にホロウは死神により消された。
その死神は隊首羽織を着ていることから隊長格の死神とのことがわかる。
「(声を…かけてみますか)あのー…そこの変わった姿をして居る方、夜分遅くにアタシの所に買い物ですかぁ?」

そう言うとゆっくりと振り返った彼、間違いなく彼は…
「おや…僕のことが見えるのかい?」
藍染惣右介だ。

「見えるも何も…お互いに人間何だから見えるに決まってるでしょ?」
「僕は…いや、なんでもないよ。それよりもここにお店があるのかい?僕はここら辺の人ではなくてね。」

そう言って藍染はゆっくりと近付く。
正直何されるかわからない、話し掛けたのは安易だったかな。
「えぇお兄さんの目の前にアタシのお店が、駄菓子屋なんスけどね。それとその腰にある刀…捕まりますよ?」
「それはちょっと…困るな。そうだ、これを見てくれないか?」

鏡花水月か!?何かされる!

そう思ったら間の抜けた音、その音はビヨヨーンと突然聞こえた、記憶神機だ。
それにしても何故、藍染がそんなのを…結構シュールだ。
「な、なんすかそれ…お兄さんの持ち物にしては可愛いじゃないっスか」
「…あれ、可笑しいな…これで確か記憶の置き換えができるはずなんだが…」
「…とりあえず家上がります?」
「…そう、させてもらおうかな」


これが藍染惣右介とアタシの出会い。


「冷たい麦茶です」
「…可笑しいな、なんでダメなんだ…あまり使ったことはないが使い方はあっているはずなんだが…」

彼、藍染惣右介は真剣に悩んでいた、アタシにはどうやら聞かないらしくあのあと何回もやられた。
「…なんかすみません」
「大丈夫だよ、その代わり誰に言ってはいけないよ?」
「あ、それなら暇なときに買い物に来ません?来るなら黙りますよ?」

そういうと藍染は苦笑いをし、アタシの顔を見ながら話す。
「これは難しい提案だな、僕はあまり休みがないんだ」
「だから暇なときで良いんスよ。そう言えばお兄さん、名前は?アタシ、夏目商店の夏目佐助と申します」
「僕の名前は藍染惣右介、この服装を見掛けたら逃げるように、僕らは死神と言ってホロウを倒しているんだ」
「いわば死神居るところホロウ有り!ってことですね?」
「あぁ、そうだよ、物わかりが早くて助かるよ」

そりゃ、アタシもホロウ狩ってますからね。
それにしてもいつまでこの胡散臭い笑顔の仮面は続くのか…崩すにはどうしたら…あ、そうだ。
「ねぇ、藍染さん」
「ん?なんだい」
「ずっと笑顔は疲れませんか?」


藍染side


そう言われたとき一瞬にしてバレたのかと思った、そして夏目佐助と名乗った男は私の両ほっぺを掴んだ。
「はにほふうっ!(何をするっ!)」
「いやぁ、ほら、笑顔ばかりだと筋肉固まっちゃうから…ほぐし?」

そう言うとヘラっと笑いながらほっぺから手を離した。
「僕だってずっと笑顔ばかりは疲れるよ、だから笑顔ばかりではないから安心してくれ」
「ホントですかぁ?胡散臭いですねぇ、藍染さん」
「胡散臭いって…傷付くな…」
「笑顔のポーカーフェイス、藍染さんならバレはしませんよ、簡単にはね」

バレたのかと思った、いや、とうにバレているようだ。
相手は人間、尸魂界には到底来れない相手、仮面は無くても良いようだ。
「ふっ…いつ気付きました?驚きましたよ、少ししか話していないのに」
「…君がお母さんの子宮に居るときから」

なんだこの男は。
顔はあの浦原喜助、さらにその言い回しはまるで平子真子みたいだ。
私はその言葉を聞いて完全に仮面を無くした、だがそんなのはお構いなしに彼は言う。
「ねぇ、藍染さん」
「なんだい?夏目さん」
「買い物には来てくださいね?」

…得たいの知れない人物だ。
ふざけているのか本気なのか、それがわからない相手に出会ったしまったようだ。
「…気が向いたら…」
「えぇ、お待ちしております、藍染さん」

言葉のチョイスは平子真子、外見は浦原喜助、だが喋ればどちらにも似付かない。
ふふ、どうやら良い娯楽を私は見つけたようだ。
人間観察…か、悪くない。


藍染side終了。


数分後、藍染さんは任務が終わったので帰っていった。
「…藍染さん帰りましたか。はぁ…ビックリした。いつ来ても良いように豆腐でも買っておきましょうかねぇ…」

そしてすぐに藍染が来るとは夏目は思いもしなかった。


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