これは愛だよ?
7
休みをはさんで迎えた月曜日。
なんだか体が重くて俺は学校に行くのが遅れた。
学校に着くと、すでに朝のSHRが始まっていた。
そんな中、気まずさを感じながらも前のドアからゆっくり入り遅れた理由を担任に言って席に着く。
必然的に集まる多くの視線。その中で一層強く感じたのは、久礼のものだった。
席に着いてから未だだるい体を机に預け、腕の中に顔をうずめた。
途端ざわつく教室内。ここ最近起こる不安めいたざわつき。
またここの学校の生徒が一人、行方不明になったことを、知らせるざわめき。
だけど毎度のことながら俺の耳はそれを受け止めずに流していくだけ。
あぁ、だるい...あぁ、気持悪い...あぁ、吐きそうだ...あぁ、苦しい。
ぐるぐるとそんなことが体中をめぐる。
原因は分かっている。久礼の連続的な浮気のことだ。
このままこの状態が続けば俺はどうなってしまうんだろう。
狂って狂って、その果てに一体何が待ち受けているというのだ。
「嘉一...」
「...。」
名前を呼ばれ反射的に顔を声のする方へ傾ける。
「どうしたの、今日送れるなんて珍しい。具合悪いの?休みの日もメールとか電話しても繋がらないから心配したよ」
眉を下げ、弱々しくそう言う久礼に、そういえば休みの日は携帯の電源を消していたんだ、と他人事のように思い出した。
「ねぇ、嘉一。お願い返事してよ。無視しないで」
「...」
俺の肩を軽くゆすり、泣きそうな顔で俺のことを見下ろす久礼。
だけど俺はとくに返事をすることなく、ただただ茫然とそんな久礼の顔を見つめる。
それはもう、穴が開いてしまうのではというほど。
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