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これは愛だよ?




 俺のすぐ横を歩く久礼。俺の歩調に合わせて早くも歩くし遅くも歩く。


 「あ、あのさ嘉一...」


 いつもながら従順な様子の久礼に心の中で感心していると、突然久礼は重く閉じていた口を開いてきた。

 「昨日のことなんだけど...あの、」

 「どもるな。普通に話せ」

 変にモジモジとして中々続きを言わない久礼に、気の長くない俺は苛々としてしまう。

 「...っ、嘉一は、昨日の放課後俺がしてたこと見たの?」

 きつい口調の俺に一瞬久礼はビクつくが、ガクッと肩を下ろし半ば諦めたかのようにスラリと続きを口にした。
そして同時に、当たり前のことだが俺の表情は一気に暗くなる。

 「見たよ。久礼が誰だかわかんない奴とセックスをしてたの」

 「...っ」

 「随分と楽しんでたよな。お前がそんな奴だったとは知らなかったよ」

 「嘉一、違うんだよ...あんなのは違う!それに本気なんかじゃないんだ。だって、俺には嘉一しかいないんだから!
...嘉一のことしか視界に入らないくらいに、」


 「ふーん、」

 「嘘なんかじゃないんだよ!本当だ!だから...だから俺から離れていかないでっ」


 歩みを止め、声荒げたかと思うと急に大人しくなって弱々しい声を出してきた。

 そんな姿に独占欲という名の黒い塊が優越感を感じ、俺は自然と口角を上げ笑んだ。

 「久礼はそんなに俺のことが好きなんだ...大丈夫だよ。俺も久礼のこと好きだから。俺の中心は久礼だから」

 「嘉一っ!!」

 勢いよく抱きしめられ、久礼の温かい体温が伝わってきた。

 久礼と俺は同じ気持ち。お互いが唯一無二の存在なんだ。

 久礼の肩口に顔をうめ、久礼には見えないよう俺はニヒルに笑った。

 ―だから久礼以外の人間はいらない―



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あきゅろす。
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