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これは愛だよ?



 「嘉一...っ、一緒に帰ろう」

 放課後HRが終わるといつものように久礼が俺の席へと来た。

 眉を下げ力なく言葉を発する久礼に、甘えさせたくなったが
昨日のことを許していない俺は素直にうんとは頷かない。

 「嫌って言ったらどうする、」


 「...。」


 そう言えば久礼は困ったように顔を曇らせ黙ってしまった。

 「答えないなら俺は先に帰るから」

 そんな久礼に痺れを切らして、俺は鞄を肩に掛けるとその場から去ろうと歩きだす。

 「うわ...っ」

 が、突然強い力で腕を掴まれ歩みを止められる。

 「...嫌って言っても、一緒に帰る。俺は嘉一と帰りたいんだ」

 俺の腕を掴んだ久礼は真摯な表情で俺の顔を見つめ「お願い」と弱々しく言ってきた。

 「は、犬みたい」

 そんな久礼の姿が犬のように見えクス、と笑みが浮かんだ。

 俺が笑うと久礼は目を輝かせ掴んでいた手を緩めてきた。
俺自身、昨日のことをまだ許したわけじゃないが必死な姿に免じて、一緒に帰ることにした。

 「早く帰るぞ」

 掴まれていた手を払うと今度は逆に久礼の腕を掴み引っ張る。

 「うん!」

 そして俺と久礼は2人、教室を後にした。


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あきゅろす。
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