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これは愛だよ?
14



 重い重い、からだが重い、動けない。
 苦しい苦しい、息が苦しい、呼吸が出来ない。


 「...ふ、ぁ...ん、んんっ、」


 異常な息苦しさや拘束間で目が覚める。そしてすぐに自分の状況に気がついた。

 上にいる全身何かでずぶ濡れの人間。
その人間がむさぼるようにして俺に深いキスをしてきていた。

 しかし状況はわかっても、頭がついていかない。

 なぜこんなことをされている、こいつは誰だ、
そしてそんな中激しい気持ち悪さが俺を襲う。


 体格や力の強さから相手が女でないことはすぐに分かる。


 気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い

 家のカギは閉まっていたはず。強盗か?だがそれならなぜ金品だけを盗って出ていかない、なぜ俺にこんなことをする。

 そしてある事実が俺を余計に戸惑わせた。

 それは臭いだ。異様な臭い。...鉄臭い、血の臭い。

 「んんッ、は...やめ、ろっ」

 じわじわと恐怖心が俺を襲いガっ、と渾身の力で覆いかぶさる相手の胸を強く押した。


 「嘉一」


 「...っ!」

 聞き慣れた声。愛しかった声。その声が俺の名を呼ぶ。

 心臓がどくりと大きく跳ねた。

 固まる俺の体。目の前の相手...久礼はそんな俺の隙を狙って一気に腕を上にまとめ自分のベルトできつく縛った。


 「嫌だ...離れろっ、俺から離れろっ!!」


 目が慣れ、薄暗い部屋の中見えた久礼はニヤリと奇妙な笑みを浮かべていた。


 怖い、こんな久礼を俺は知らない。


 1秒毎に俺の中で久礼に対する恐怖は増えていった。


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あきゅろす。
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