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これは愛だよ?
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 「...いち...嘉一...っ」


 「んん...」

 肩を揺すられ、俺は重たい瞼を上げる。


 「...久礼...」


 欠伸をしながら体を起き上げると、すぐ目の前に立っている久礼を視界にとらえた。


 「二時間目も、帰りのSHRも終わったよ」


 「...」


 もうそんな時間なのか。
 最近睡眠不足なのと体調不良が合ったせいか俺は深い眠りについていたらしい。

 「ぁ、それでね、嘉一と帰りたいんだけど今日もちょっと部活の先輩と出掛ける約束があって、一緒に帰れないんだ...」


 「...あぁ、そう」

 途端、俺の気分は最高潮に悪くなる。

 「...嘉一、今日電話するから。出てね...じゃあ。」


 「...」

 そう言い焦りながらも、久礼は足早に俺のもとを去っていった。
 その姿を見てから俺はしばらく気分が悪くて、一人教室に残って窓から外を眺めていた。


 「嘘吐き」


 そして窓から見える通学路を、久礼と一緒に仲良下げに歩く女の姿を見て俺は毒づいた。

 二人のその存在を鋭く睨みつける。

 もういらない...だーれも、いらない。


 ―思い通りにならない奴なんて消えてしまえ。



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