君が好き...カモ。
4
「てめぇ...」
「ひぃっ、え?俺なんかノベに変なこと言ったか!?」
ガッと胸倉を掴まれ弱々しい声が俺の口から出る。うわぁ、なんかデジャブ。
「あ!もしかしてマッチョのことまだ気にしてんのか!?わ、悪かったよ、ノベも一般よりは筋肉ついてること認めるからさ!だから怒るなって、」
「...ちょっと待て、その“ノベ”って俺のことか?さっきからノベノベ言ってるが、」
般若みたいな顔をしていたノベは急に男子高生のキョトンとした顔になる。
あれ?間違ってたかな。そう思い、俺はもう一度紙に目を通す。
「え、ノベだろ?お前の名前。ほら、」
自分で自分の名前書いたくせにこいつ漢字間違って書いたのかよ。はっ、こいつバカだな。
しょうがなく俺はその紙をノベに向けて見せてやる。
「...お前、主席だよな」
その紙を見たノベは俺に疑うような視線を向けてくる。
「あぁ!そうさ、俺は主席。頭が良いんだ!」
堂々とそう言えばノベは深いため息をし、掴んでいた胸倉を離した。
「バカじゃねぇの?俺は、野倍(ノバイ)。野部(ノベ)じゃなくて野倍だ」
「う〜ん?...おぉ!」
「おぉ、じゃねえよ!」
「うぎゃっ」
ポン、と手の平に手を打てばバシっと肩を叩かれ、俺はベッドに倒れる。
仕方ないだろ!!俺は耐久力がないから倒れちまうんだ!
「へ、変な声出すな。とにかく俺はノベじゃなくて野倍なんだからな!!」
「も〜、分かったって。はいはいはい」
倒れたついでにゴロゴロとベッドの上を転がりながら返答する。
あ〜、ふかふかしてて気持ち〜
「おい、扱い雑じゃねぇか?」
「だってゴリマッチョじゃないんだもん!」
当たり前だろ!俺が愛想を振りまくのはゴリマッチョ限定なんだから!!
「もんって...はぁ、本当お前変わってる」
もう何度吐いたかわからない溜息を野倍は再び吐く。
そんなため息を気にすることなく俺はゴロゴロとベッドの上を転がり続けた。
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