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君が好き...カモ。




 「う〜〜ん...はっ!!ここは!」

 バチッと目を開ければ視界に入るのは見慣れない白い天井。

 「やっと目、覚めたか。ここは保健室...てかお前メンタル弱すぎ」


 あれだけで意識失いやがって、と隣のベッドに腰を掛けている金髪男は呆れたようにそう言う。

 「な、なんで金髪男がここに...っ」


 一気に倒れる直前の出来事を思い出し、俺はバフッとタオルケットで身体を包み顔だけを出してバリケードを作った。

 しょうがないだろ!俺、元イジメられっ子だし!もうすでにビクビクしっぱなしだぜ!!

 「なんでって、お前をここに運んだからだよ。あんな状態でほっとけねぇし。保健室も誰もいなかったから...しょうがなくここにいたんだよ」


 頭を掻きながらどこか照れくさそうに言う金髪男。
...あれ、こいつ意外に、


 「金髪男...お前、意外にいい奴だったんだな。」

 見た目が金髪で切れ長の二重が鋭くて不良チック野郎だと思っていたが...というか実際めっちゃ恐かったが、いい奴じゃないか。

 「意外って...つーか、金髪男とかやめろ。俺にはちゃんと名前が――」

 「これに名前書いてくれ!」

 「...は?」

 金髪男が自分の名前を言おうとしたのを俺はある物をつき出してそれを止める。
 驚く金髪男につきだした物...それは制服のポケットに常備している、メモ帳とシャープペン。

 「...たく、めんどくせぇな」

 そうは言いながらも金髪男は俺の手からそれらを受け取るとサラサラと紙にペンを走らせていく。
 ほらよ、と乱暴に渡され俺はそこに書かれた名前を見る。

 「オーケイ、ありがとう。俺マッチョ以外の人間の名前はよく忘れちゃうからいつも書いてもらってるんだよな」

 ははは、と笑い“皆そんなもんだろ?”そう言えばピくっと動く目の前の男の片眉。

 嫌〜なオーラが奴から現れ始め俺は肩をビクつかせる。


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