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君が好き...カモ。
華麗なる舞を見やがれ!


 「桜が咲くこの季節。私たち新入生240名はスポーツ進学校である、ここ光ノ原(ミツノハラ)学園に
入学することができました。その代表として俺、春里 晃(ハルサト コウ)から代表の言葉を述べさせていただきます。」

 バカでかい体育館のステージに立っている俺はスラスラと紙にかいてあることを述べていく。

 そして言葉を発しながら、一定おきに体育館内にいる生徒の方も見る。

...さすがスポーツ進学校...マッチョ率が高いじゃないか!!!

 見渡せば目に入るのは、男・男・男!そしてマッチョ!

 一応共学なのだが女子の姿はあまり見られない。
...まぁそれも理由があるのだが。

1つ目の理由はここがスポーツ進学校だから。
2つ目の理由はこの高校が共学になったのは、つい2〜3年前からだから。

 1つ目の理由は多少の影響しかないが、2つ目の理由、これが大体の原因。

 ま、別に俺は女子がいなくてもいいんだけどね。マッチョさえいてくれれば!!

「〜というわけで、代表の言葉を終わらせてもらいます。」

 紙をたたみお辞儀をする。...そしてガっと頭を上げるともう一度マイクを手に持つ。


「では、失礼して一言...――美羽姉!!会いたかったよーーーーっ!!!」

 声を張りあげる。その声はデカイ体育館内に響きわたった。


「私もさ!コウちゃーーーーーーん!!!」

 すると、どこからともなくステージの近くに現れた可愛らしい顔をした――マッチョ女子。

「美羽姉!!」


「コウちゃん!!」

 俺はマイクを壇上に置くとそのまま突っ走り...そのマッチョ女子こと美羽姉の方へ向ってステージから勢いよく、
舞うように飛び降りる。

 どうだ、華麗だろう?

 ―ガシッ―

 そんな俺を美羽姉はしっかりとキャッチし、そのまま俺は俗に言う姫だっこという形にされる。

「美羽姉の筋肉懐かしいよ〜。てか、また一段と筋肉が増えたでしょ!」

「ははははっ、私もこんな風に姫だっこするのが懐かしい。筋肉は...当然増えてるさ!」

 俺はギュウギュウと美羽姉に抱きつく。

 年ぶりの姉弟の抱擁。この高校は寮生活が強要だったから美羽姉とは全然会えなかったんだ。

 しかも美羽姉、部活に一生懸命で夏休みとかの日も忙しくて実家に帰ってこなかったし。

 ま、でも一日おきに電話してたんだけどね!

 そして、この2人を新入生、在校生、教員方は驚きで茫然とした様子でジーっと見ていた。


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あきゅろす。
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