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君のため




 「今日からこのクラスに転入することになった、千麻 愛都君だ。皆仲良くするように」


 井中に紹介されるまま教卓の前にいれば、教室内はざわめきだし、多くの視線が俺に突き刺さった。



 「どうも、千麻 愛都です。1年と短い期間ですが、どうぞよろしくお願いしますね」



 ニコリ、と笑いそう言えば途端にざわめきは大きさを増した。

 男のクセに頬を赤くして俺を見つめる多くの生徒。
――酷い吐き気を覚えた。



 「静かに!それでは愛都君は窓側の一番奥の席に、」


 「はい」



 言われた先へ俺はゆっくりと歩いて行く。



 ――1人目見つけた。



 俺を見て驚いた顔をしている存在。指定された席の斜め後ろの席にいる...綾西 泰地。


 まずはお前を堕とそうか。
 合わさる視線。俺は弧を描くようにして目を細めた。



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あきゅろす。
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