[携帯モード] [URL送信]

君のため
転校生


 「入学式から1ヶ月後、僕のクラスに転校生が来たんだ」


 場所は公園から変わって俺の部屋。お互い何も話さず、静かに過ぎ去る時間は宵人のこの言葉で止まった。


 「転校生...?それは、知らなかったな」


 「まぁ、愛都には言ってなかったしね。たまたま僕はその転校生と同じ寮の部屋になったんだけど...そこからなんだ。
それから徐々に僕は...愛都の言うとおり、イジメられていたんだ」



 ギュッと拳を握り、悔しそうに宵人はそう言った。そんな宵人の拳に優しく触れると、スッと下げていた視線を俺の方へ向ける。



 「隠しててごめんね。でも今、全部話すから...だから僕のこと嫌いにならないで...見捨てないで...っ」


 「、あたりまえだろ!俺はずっと宵人と一緒にいるから」


 ソファに座る宵人の前で膝をついて立ち、視点を合わせて見つめる。

 真摯な姿を示して、どれだけ俺が真剣なのかを教え安心させるために。



 「...ありがとう。じゃあ、続きを話すね」



 そしてそんな俺を見て宵人は安心したのか、優しく微笑み一息ついてから先ほどの話の続きをし始めた。



[*前へ][次へ#]

23/42ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!