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君のため




 『全て俺の責任だった。それからも日に日に罪への重さは増えて、自分の生きる価値を考えては罪悪感で押しつぶされる毎日。それでも愛都を見てまた決心をつけることができたんだ。ようやく罪を償える。もう後悔はしたくない。』


 『今まで嘘ばかりついてごめんなさい。助けることができなくてごめんなさい。ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、―――― 』


 手紙の最後は“ごめんなさい”という言葉が陳列され、いくつもの涙のあとで紙がよれてしまっていた。
 愛都は里乃の部屋であり、今は空き部屋となったそこで仰向けになり天井を見つめた。その部屋はまだかすかにだが、里乃の匂いが残っていた。

 「嘘つき...」

 嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき、許さない。絶対に許さない。
 こんなこといまさら言われても里乃がいなくなってしまった今、復讐することができない。
 結局は里乃も復讐されるのが怖かったのだ。だから逃げ出したにきまってる。自分だけは関係ないってすました顔して生きていた。最低な人間だから宵人のことを見捨てることもできたのだ。
 可哀想な宵人。友達だと思っていた人間にも見て見ぬふりをされ、1人孤独に生きていた。
 大嫌いだ、あんな奴。最低だ。生きている価値さえなかった。
 これは当然の結果だ。さっさと死んでくれればよかったんだ。清々した、だから流す涙なんかもない、いなくなってくれてよかった、歓喜するぐらいだ。

 そう、嬉しいはず...―――



 「 ばかやろう...」


 しかし、愛都の頬にはいくつもの涙の筋ができ、床をしとどに濡らしていた。



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あきゅろす。
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