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君のため




 「はっ、うわ...めっちゃ、シまる...っ」


 痛みはそこまでなかった。

 だけど容赦なく奥まで突き挿れられることへの嘔吐感がひどく俺を攻めたてた。


 「んんっ...ふ...んっ、ン...ぁ、」


 「お前ん中、すげぇ熱い...クセになりそう」


 そして休む暇もなく性急に腰を打ちつけられ体が机の上で上下に揺すられる。


 自分だけが満足する動きにすっかり俺のは萎えてしまい、気持ち悪さばかりが這いずりまわる。


 先ほどの快感なんて微塵も感じなかった。


 奴のものが激しく中を擦るたびに体の中を掻き混ざされているような感覚がして
おかしくなってしまいそうだった。


 犯されている。

 男の俺が男に突っ込まれている。


 男女がするような行為を無理やりされ、
不本意ながらもその相手に快感を...男としての快感を与えている。


 「...くっ」


 どれだけ突き挿れられたか、
しばらくすると奴は短く息を吐き...俺の中に熱を放った。

 
 「...っ」


 ー中出しされたー
女のように扱われたその行為はひどく俺を惨めにさせた。


 悔しくて、悔しくて悔しくて...歯を食いしばり、拳を強く握り締める。


 「...お前、最高だわ...だから褒美をやるよ」


 「なっ...」


 耳元で呟かれ、同時に俺の萎えたそこへ叶江の長い指が絡みつく。


 そして感じる、俺の中に入ったまま再び熱を持ち始めた叶江のもの。


 「嫌...だ...っ」


 「遠慮するな...大人しく受け取れ」


 奴の左手で両手を瞬時にまとめられ机の上に止められる。

 口元を押さえるものがなくなってしまい仕方なく下唇をかむ。


 「そんなんじゃ、声なんてすぐに出る...せいぜいお前も楽しめよ」


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