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君のため
初めの日 ※綾西視点



 「嬉しいなー嬉しいなー。1週間も愛都と同じ空間で寝れるんだ」


 綺麗に装飾されたホテルの中。だけど俺の視線は荷物を置き、ソファでくつろぐ愛都にばかり向いてしまう。


 「この1週間で香月をはめる。お前はいつもと同じく俺の言う通りに動け。色々と都合がいいから相部屋をお前にしたんだから」



 「うん!俺、愛都のいうこと聞く。ちゃんと聞くよ...だから、その時はご褒美ちょうだい?」


 屈んで、背もたれに身体を預ける愛都を後ろから抱きしめる。ふわり、と香る愛都の匂いにゾクゾクとした。


 「そうだな。お前が文句ひとつ言わずにいうこと全てをきいたら...」



 愛都が横を向き、近づく唇。


 「1週間後、最終日に俺がお前の上にのっかってやるよ。お前の妄想通りにな」



 ぺろ、と舐められる唇。俺はその言動で興奮し、愛都にキスをしようと近づくが、当の本人は立ち上がり俺から離れる。


 「だめだ。お前はまだ何もしていない」



 「うっ...そんなぁ、」


 目の前から去っていく愛しい存在を目で追う。


 「まだ修学旅行1日目だ。むやみやたらに発情するな」


 「でも俺、勃って...」


 「じゃあ、1人でやってろ。ほら、見ててやるから」


 「え、ほ、本当...?」



 壁に寄りかかり冷たい眼差しを向ける愛都。
俺はすぐさまベルトに手をかけ、外すと下着とズボンを少し下げ、何もしていないのに反応し上を向くものを握る。


 どくどくと脈打ち始めるそれを上下に扱けば、先端からは先走りがあふれ、昂ぶりを湿らせた。



 「愛都...愛都愛都愛都...っ、」

 
 単純な俺の屹立は愛都が見てる、という事実だけで腹につきそうなほど勃ちあがる。
 突然の自慰という状況も関係なく、興奮できる自分の体。

 瞳の中に愛都を映しこんで、頭の中で好き勝手に犯す。俺の下で泣いて喘ぐ愛都を想像する。自分のものを擦るタイミングと愛都の中を犯すタイミングを合わせて激しく扱けば、より一層先走りはだらだらとたれ流れる。


 「あっ...あっあ、愛都、まな、と...っ、」


 空いている方の手で陰嚢をいじり、扱いてる手の親指で先端の穴を抉る。


 「はっ、見苦しいものだな」


 ふと、いとしい声が聞こえ前を向く。


 「...っ、ふ...く、ぅ...っ、」


 自分の昂ったそこを見下ろす瞳。視姦≠ニいう言葉が頭の中で生まれ、同時に俺の興奮は最高潮に達した。

 ビクつく身体。びゅるる、と勢いよく出た白濁は床を汚した。


 「気が済んだか」



 「う...うん、」



 「じゃあ俺が戻ってくるまでに床をきれいにして、その汚いもんをどうにかしろ」


 「え、ま、愛都どっかに行くの?」



 「お前は留守番だ。...いうこと、聞けるだろ?」



 玄関の方へと向かう愛都は振り向き、いつになく俺に微笑みを向けてくる。
 本当はついて行って、監視していたかった。誰と話すのか、またどんな内容なのか、全てを知りたかった。


 「...わかったよ、」


 けれどつい先ほど約束したことを思い出し、俺は小さく頷いた。



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