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君のため
初対面は最悪



 次の日、朝SHRが終わるや否や俺はある場所へ足早に歩いて行った。

 「ここか...」

 立ち止まった場所は俺のクラスから2つ離れたクラスの教室前。

 募る怒りをなんとか抑えて扉に手をかけた。

 近くにいた生徒に恵 叶江はどいつかを聞き、言われた奴の方へ歩いていく。

 「お前が恵 叶江か、」

 目の前に立ち、そう問う。
 耳が軽く隠れるくらいの長さの、茶色く染められた髪の毛。それはワックスで整えられており、そこから覗く彫りが深い顔立ちに高い鼻、二重の切れ長の目はいい意味でとても特徴的だった。

 俗にいう美形。まぁ中身は最低野郎だが...。

 「あぁ、そうだよ。イケメンさん」

 馬鹿にしたようなその口振りにイラつき、眉間に皺が寄る。

 「俺は宵人の兄弟の千麻 愛都だ。お前に話がある。ちょっと来い」

 「ふーん。あぁ、そうだ。俺もお前に話があるんだわ。ちょうどいい」

 ニヤリ、そんな風に笑みを浮かべる男はまた人を小馬鹿にしたように話す。

 「じゃあ行こうか...愛都」

 そして椅子から立ち上がって一歩踏み出し俺の耳元で囁く。

 「っ、名前で呼ぶんじゃねぇ...っ。胸くそ悪い」

 ザワッと鳥肌が立ち、その反動で奴の胸を強く押し一歩離れる。

 「はっ、威勢がいいのも今のうちだぜ?」

 早く事を済ませてしまいたくて足早に歩みを進ませた俺は奴がそんな事を言っているなんて知る由もなかった。



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あきゅろす。
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