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最後に笑うのは、
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 「クソ...ッ、」

 頭からシャワーの水を浴びながら、穂波は先程まで行われていた情事を思い出し、苦悶の表情を顔に浮かべる。


 無理に自身を勃たせられ、それは蠢ききつく締められる二葉の尻の穴へと埋まっていく。
 俺の上に跨っている二葉が腰を下ろしきり、気持ちよさそうに喘ぐ。
ぎゅっ、ぎゅ、とわざと俺のものを強弱をつけて締めつけながら二葉は上下に腰を動かし続けた。

 強制的に与えられる快感。だけど根元をきつく紐で縛られていせいでイキたくてもイけない状態。
 そんな状態が続き、理性が無くなった頃を狙って二葉は俺の性器から紐を外した。
 漸くイける。そう思ったのもつかの間、二葉は笑みを浮かべて動きを止めた。

 “イキたいなら、自分で好きなように動いてよ”

 そんな言葉など、理性が残っていれば一蹴していた。だが、今の状態ではそうはいかなかった。
 俺は上に跨っている二葉を床に押し倒した。そして膝裏を掴みあげ胸に足がつくほど曲げさせると本能のままに激しく二葉の中を掻きまわした。

 裏筋が中の襞に擦れ、パンパンッと肉を打つ音がするほど抉るように中を突き挿れれば先端が奥にある襞の壁にあたり、蕩けるような快感が体中を走った。

 うるさいくらいに喘ぐ二葉は、触ってもいない性器から精子を飛び散らせ、中をひどく締めつけてくる。
 陰嚢が大きく脹れあがり、二葉の尻にあたるたびに音を立て中にある精子を刺激した。
 そうしてイく瞬間、中から性器を出そうとした俺の腰に二葉は足を絡め、グッと腰を押し付けてきた。
 
 一気に根元まで中に突き挿れられ、その刺激に堪えられるはずもなく、俺は小さく喘ぎながら二葉の中に吐精した。


 「これじゃあ...あの時と一緒だ。昔のことの繰り返し...」


 高校の頃、強制的に行わされていた“遊び”。穂波の気持も何も考えず、二葉は飽きることなくこの情事を強請り、強行してきた。

 ― だが、今拒否してしまえば...日向が危ない目にあってしまう。日向がいなくなってしまったら、前までの日常に戻るという望みは夢となって消えてしまう。

 「邪魔だ...あいつが。あいつさえいなければ...っ、」


 ― でもどうやって二葉を俺と日向の前から追い出せば...。日向を説得する?...嫌、無理だ。今の日向は正常な判断ができない。俺が何を言っても日向は...

 一体どうすれば...。シャワーの水を止め、ふと穂波は目の前の鏡をぼんやりと見つめた。


 『それなら簡単だ。殺せばいいじゃないか』


 「...ッ!?」

 その瞬間、鏡にうつる自身はそう話し目を細めると首の前で右手を横に振り、『殺してしまえ』と念を押すように言ってきた。

 その言葉にゾッとし、穂波は思わず後ずさって壁に手をつける。

 「穂波、どうかしたの?大丈夫?」

 「...ッ。何でも、ない」

 その時、派手な音を立ててしまったせいでその音を聞いたのか脱衣所に走ってきた二葉が壁越しに声をかけてきた。

 「でも...」

 「いいからッ!...大丈夫だって、」

 「...わかったよ、」

 
 二葉のふてくされた様な声と、遠くなっていく足音。

 「...さっきのは一体、」

 そして再び鏡を見た時、そこには先程うつっていた、勝手に動き言葉を紡ぎ出す自身はおらず、上下左右当たり前だが自分に合わせて動く自分の姿がうつっていた。



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あきゅろす。
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