リクエスト小説
2
「行こう、真崎」
3時間目の授業が終わり、迎えた10分休み。次の授業までもう3分もないのだが佐竹は笑顔のまま俺の手を取り、教室から出ようとする。
「佐竹、」
佐竹の纏う、普段とは少し違う異様な雰囲気には見覚えがあった。
「行くよ、真崎」
「だが、授業が...」
「昼休み一緒に入れないんだ。授業なんて出てられないよ」
握られる手の力が強まる。口角は上がっていたが目は笑っていなかった。
有無を言わせぬそれに、俺は授業に出ることを諦め大人しく席から立ち上がった。
「あっ...く、ぅ...ん、ん゛んっ...」
「はっ...はっ、ん...真崎、まさ...き、」
背中に覆い被さる存在。佐竹は己の屹立で俺の中を掻きまわし、熱い吐息をこぼす。
太く熱いものが動くたびに穴の縁はミチミチと悲鳴を上げる。
これだけ責めたてられ、よく裂けないものだ、と思ってしまうほどに佐竹との性行為は激しく、乱暴的なものだった。
「んっ、ぁ...いく、真崎...中に、出すから、」
「んんっ、あっ...んっん、くっ、ぁ、」
射精するために早まる律動。ただ屹立を擦るために、先端を刺激するために俺の中を使って快感を得る佐竹。
そんな律動でも回数を重ねてきたせいか、俺は感じ、触ってもいないのに自身は勃ちあがって先走りを溢していた。
瞼を開ければ自身が律動に合わせて上下に揺さぶられているのが見え、思わず瞼を再び閉じた。
そして中のものが脈打ち、奥深くに吐きだされる熱。女のように扱われ、中出しされ...
「真崎...好き、大好きだよ」
うなじにキスをし、痕を残していく佐竹はそう、愛を囁く。
性行為も愛の言葉も全ていつものこと。俺にとっての日常。いつからこうなってしまったのかは分からない。佐竹とは気づいたらこんな関係になってしまっていたから。
「...、」
だがそれに対して嬉しいと思うことはなかった。
ただただ俺は全てを受け止めていた。
佐竹の望みはできる限り叶えてやる。男として屈辱なことでも...
唯一の友人に俺がしてやれることと言えば、こんなことぐらいしかできない。それぐらいしか思いつかない。
自分が普通の人間と少し感覚がズレているのは分かっている。
今の日常がおかしいのだということも。
それでもそれが俺にとっての日常なのだから、しょうがない。受け入れるしかないのだ。
未だ昂ったままの自身に手を伸ばし、機械的に扱く。そうして吐きだされ、床に飛び散った精子を無情に眺めた。
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