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リクエスト小説
攻め子様 “君のため” 叶江×愛都/執着/束縛/暴力/流血/R18



 ぐわぐわ、と回る視点。頭への強い打撃で飛んでいく意識。


 ― クソっ、こんなところで...俺は、


 床へと倒れていく体はスローモーションのようにゆっくりと傾いていくように感じた。

 その一瞬の間。つい数十分前の出来事が頭の中を遡る。
 ドン、と倒れたその体に自由は利かず、ついに俺の意識は暗闇に包まれた。


 ―

 
 ――


 ―――


 「雨か...」

 ポツリポツリと降り始めた雨は点々とした水滴で窓を覆い尽くしていく。
 どんよりとした暗い天気を嫌い、顔を曇らせる人は多いが俺にはこのぐらいの天気の方が好ましく感じる。


 授業も始まり静まった廊下。向かう先は今はもう使われなくなった旧体育館の器具倉庫。

 3時間目の授業が始まり次第器具倉庫に1人で来るようになどと書かれていたそれは、いつもなら相手にもしないような手紙。
 しかしこないだの不良たちのような使える人間がちょうど欲しかった俺は、いい機会だと思いこのバカな誘いにのった。
 
 誰が何のためにこんな呼び出しを俺にかけたのかは分からないが。


 熱狂的な沙原たち、誰かの信者か。それとも前にも俺に利用され、恨みを持った奴か。

 思いつく人物は何人かいた。


 ― まぁ、誰が居ようと訪れる結果は変わりやしないが。


 状況が悪ければ綾西を呼べばいい。綾西がいる教室から器具倉庫までは走れば5分もかからないい。
 すでに何処に俺が向かうかも伝えてある。俺からのワン切りか何かがあればすぐにここに来るようにとも命令した。

 だが、できるだけ1人で済ませてしまいたい。
綾西を呼ぶと多少なりとも事が大きくなってしまうリスクがある。

 普段は何もできないあいつだが、俺のこととなれば何をするかわかったもんじゃない。
 だから綾西を呼ぶのは最終手段だ。


 「さぁ、今度はどう対処してやろうか」


 暴力かそれとも強姦か。知ってる奴なら精神面から脅してやろう。


 ― ストレスも溜まってたんだ。発散も兼ねて徹底的に追いつめてやろう。


 激しくなってきた雨音を耳で聞きながら、俺はゆっくりと歩き続けた。


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