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君のことだけ考えてた。




 「ついに...ついにやってきた!!」


 朝、目を覚ました俺は部屋にかかっているカレンダーを見てテンションが上がった。

 シイナと約束した今日、当日。俺の頭の中はシイナのことでいっぱいになっていた。


 「放課後は学校終わってからまっすぐ行くのだろうか...それとも一回家に帰るのか?」


 朝から考えてるのはそんなことばかり。
ま、どちらにせよ、とりあえず服に気合を入れよう。
髪もいつもよりちゃんとセットして...


 「は、デート前の女みてぇ、」


 顔から笑みが溢れ、止まることがなかった。





ーー


ーーー


 「えっ、今日ですか!?」


 『うん、ごめんね。今日シフトの子熱出ちゃって...他に代われる子と言ってもイズモ君以外はあと新人の子だから頼めないのよ』


 電話越しからでもわかる困った様子の相手の声に俺は何も反論することができなかった。


 「...わかりました。5時からでいいんですよね」


 『本当?ありがとう、助かるわ。えぇ、5時からで。それじゃあ今日はよろしくね』


 「はい、こちらこそよろしくお願いします」


 安心したのか明るくなった店長の声。それとは正反対の俺の気分。

 用件が終わり通話を切る。やけにツーツーという切れた音が耳に残った。

 さっきまで高揚してた俺の気持も今では底辺まで下がってしまった。

 それは昼時の今この時、バイトの店長からの電話の内容がもちろん理由。


 「せっかくシイナと約束したのに...」


 自然と溜息が出る。一気に体が重くなったように感じた。



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あきゅろす。
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