君のことだけ考えてた。
3
「明後日用事ある?」
「え...?」
昼間、大学の食堂内でシイナと一緒に昼食をとっているこの時
俺は大げさかもしれないがピタッと動きを停止してしまった。
「無理だったらいいけど...」
「あ、え...いや、予定はない」
無言だった俺にシイナは心配そうな顔をしたが、OKの返事を言うと嬉しそうに笑った。
「よかった。ちょっと街の方に行くからよかったら一緒に行かないか?」
「街...?まぁ、いいけど」
「ありがとう」
「...別に」
どうしようどうしようどうしよう!!!シイナから誘われた。こんなの一体いつ振りだ!?
未だにバクバクとうるさく鳴る心臓。でもそれを知られたくなくて俺は見た目だけでも何とか平常心を保った。
恥ずかしくて目が合わせられない。
それからシイナは用事があるから、と昼食を食べ終わるとどこかへと行ってしまった。
「シイナと...」
シイナの姿が見えなくなり俺は1人食堂の窓から外を眺める。
あぁ、ヤバい。久しぶりすぎてなんか...何というか...すっごい嬉しい。
緩まる口角。今の俺にはそれをどうにかすることなんてできなかった。
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