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君のことだけ考えてた。
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 「ふっ...く...ぁ、」


 シイナは最後まで俺の中に精液を絞り出すように、
射精しながらもゆるゆると浅く腰を揺らしてきた。

 自分の精液で腹部や胸のあたりを汚した俺は余韻に浸りながらも、淡い快感に声をもらす。

 今この時、俺はまるで時間が止まったかのように感じた。


 「んんっ、」


 出し終わったのか、しばらくして結合部から白い糸を引きながらシイナの萎えたものがずるりと抜けた。


 ようやく肩から足が下ろされ、俺は力の入らない下肢をソファの上に投げ出す。
 呼吸はいまだ整うことなく、吐きだされる。

 俺の足の間にいるシイナは、ズボンの前を寛がせただけと、あまり乱れてはいないが
対して俺は服を胸の上まで大きく捲りあげられていて
、下半身は何も身につけていない...

 シイナとの差があって今更ながら羞恥心が俺をひどく煽ってきた。

 しかも、身体は自分の精液で汚れ、後ろの穴からはシイナの精液がつたうように太股を流れている。


 「ごめん...イズモ...」


 「っ!!」


 意識がはっきりするにつれて俺はすぐにでもこの場から逃げたい衝動に駆られ、差し出してきたシイナの手を無意識にはたき落してしまった。

 その瞬間、シイナは驚き悲しんだ顔をしたが、すぐに先ほどの情事を思ってか、瞼を伏せ沈んだように肩を下ろした。


 「ごめん...ごめんねイズモ...」


 何度も何度も謝りうな垂れるその姿に俺はまるで加害者になった気持になった。


 先ほどまで俺が何を言っても返事をくれなかったシイナは今ではただひたすらに謝り続け、
俺が逆に黙り込んでいる状態だった。


 「...俺がいるのは嫌だよな...本当は後始末してあげたいけど...俺、帰るね」


 俺が1人になりたいということに、気がついたシイナはそういい、最後にもう一度“ごめん”というと、早足に俺の前から去っていった。


 「シイナ...」


 ガチャリと閉まるドアの音がやけに大きく聞こえた。



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