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ひとひらの桜の夢
闇色と空色な暖かい一時
いつも通りの時を同じ時間を

一緒に過ごしている大切な仲間が居る

いつもと変わらない日常を進んで行く

何もない暇な時間も時には大切に

-闇色と空色な暖かい一時-

*アレン視点*
朝、目覚めたらカーテンの隙間から光が差し込んでくる。
雲一つ見当たらない空の色は見ていて、とても和やかにさせてくれるものだった。
こんなにも明るいから何かいい事あるかもと自室を出るまでは晴れやかないい気分だった今日は任務休みとの許可が出ている
ベットから下りて着替えを済ませ、空腹なところで
いつもと変わらず食堂へと足を進める。
何を食べようか。
それだけで頭がいっぱいだったらしく前をよく見ていないせいで誰かにぶつかってしまった。
慌てて離れ謝ろうとしたが相手の顔を見た瞬間にその考えは一変した。
何故かと言えば…

「何処見て歩いてんだ…モヤシ」

ぶつかった相手が自分とは、あまり仲が良くない…
というより少しでも仲が良いなんて思ったことのない神田だったからだ。
僕のことは、いつもモヤシ呼ばわり…そうではないと言っても返ってくる
言葉に負けてしまい結局はそのまま言われたい放題なのだが…。
それでも気に入らないものは気に入らない
。久々に言い合いが続いた日だった

「僕はモヤシじゃないって言ってるでしょう!?バ神田…」

言い返せば言い返すほどエスカレートするばかりで、『周りの迷惑』
なんていう言葉は、この2人が出会えば2人の頭から消去される文字だと言ってもおかしくはない。
廊下に響き渡る大声…しばらくは誰も気づかなかったようだが、1人気づいて顔を覗かせる人物が居た

「だいたい…テメーはいつも小さいことで煩く言いすぎなんだよ!!」

「!?それはどっちですか?短気なのは神田ですよ!!」

「もう一回言ってみやがれ!!回答次第で刻んでやるよ…」

「そんなことができるんですねぇ?神田は短気って言ったんですよ!」

アレンが笑顔で短気を強調して言ったせいか、神田は眉間に皺を寄せてすごく怒っているように感じる。
そして六幻を抜刀させ斬る体勢に入る…
アレンも負けずに左腕を構えて闘おうとしていた。
此処の場だけ何故か黒いオーラが出ており、近づこうとは思えない雰囲気の場に止める者が居た。
赤い髪が風に靡いてその場の黒いオーラを
浄化させるように陽気に話し出す。

*ラビ視点*

「こんなところで何してんさー?ユウとアレン」

話し掛けられた言葉と同時に2人が一斉にラビの方に顔を向けた。
それは…邪魔するな。
と顔からして伝わってきたので苦笑いしながら、流石に六幻抜刀してるのと左腕を構えてるので、少しやばいような気がしたラビは
落ち着かせようと言い聞かせるが、ずぐ言うことを聞く訳がない…

「流石に此処でって…ちょっとその構え的にやばいんじゃね?」

「うるせぇ!!お前は黙って見学でもしてろ!」

「邪魔をしたらラビまで危ないですよ?」(黒オーラ全開で微笑み)

暴れだしたら教団崩壊も有り得なくはなかった。
ここで止めておかなければ酷くなるし他の人だって巻き込む可能性だってなくはないのだ…。
だか、そんなのお構いなしと振り切るように睨み合い続ける様子に少し呆れていた。
命がけで割って入るしかないと判断し止めようと2人の間に割り込んでいった

「こんなことしてても、結局は何もならねぇだろ?仲良く朝飯でも食べに行くさ♪」

笑顔で言って、最終的には止めさせることに成功した。
まだ朝飯も食べてないような状況でこれに賛成しない奴はないか…
という考えもあるが、恐怖によく耐えたなとか泣きそうになりながら思った。

「この続きは此処で…ですよ。神田」

「はっ…もう、やってられっかよ」

「あー怖いんですね?僕の勝ちですね☆」

「…あ?また此処で再開に決まってんだろーが」

止められたと思っても、またすぐに戻ってしまう…
この2人は手のつけない、でも見てて思うのは仲が良いってことさ〜。

「いや、ユウそのまま再開しない方が正しい答えさぁ!!」

最終的にラビの涙混じりの声が一番よく響いたとか…何とか。

*神田視点*
結局、モヤシとのやり合うのは後回しになり、ラビと3人で食堂に来るはめになった。
俺以外の2人は急いで食堂へと駆け込んで行ったが自分的には、そんなに急ぐ必要があるのかどうかも解らないまま後から入って来た。
実を言えば2人と仲良しみたいな関係で此処に来たくないという理由もあるのだが…。
後から入ってくればモヤシとラビは早速注文に行っているようで目が輝いて見える…
食い物如きでそんな目が出来るかっつーの。

「はぁ…」

ため息をついて、いつもの食べ物を注文しに向かった。
勿論、食べる物は蕎麦しかない。
理由なんて、そんなものいちいち説明やるほど俺は親切ではないから言わないが
はっきり言ってこれしか、あまり食べない。
あいつらとは違うテーブルで1人で食べることにする。誰も寄り付かないのは当たり前のことだが何故だか、あいつらが近寄ってきた

「なぁユウ一緒に食べねー?折角、皆休みなんだし、こんな機会滅多にねぇしたまには良いと思わねぇ?」

そんな事を言われても一緒に食べる気なんて更々なかったので答えは勿論…

「別に構わないぜ…」

とか言うような吃驚するようなものではない。

「断る…」

その一言だけで誘いは終了して違うテーブルへと行ってしまった。
嬉しい訳がないだろう…そんなに集団で食べるのが楽しいか。
独りの方が気が楽でいい…そんなことを思って食べていれば何時の間にか手元にあった筈の蕎麦が全て無くなっている。
食欲がある訳でもなかったので、それ以上食べることがなかったが…その後は自室に戻り蓮を見つめて誰もが知らないあの人の存在を思い出した…。

*アレン視点*
その後、戻る気がなかったせいか、あの神田とやり合った場所には戻ることはなかった。
ラビとも食堂で別れ休みなので何をしたらいいのか迷っていたが、教団の外に出てみることにした。
太陽が眩しくて目が開けていられないほどだった…しばらく草の上に座り空をじっと眺めていた。
色んなことがあったな…と振り返ればいい思い出や悲しい思い出なんかもある。
思わずフッと笑ってしまった…ポカポカしていて気持ちが良いせいか気づかない内に眠りについていた。
そして…気づけば別の世界で目が覚めることになる。ハッと起き上がればそこは先ほどまで寝ていた場所ではない。
草原の上でもない…しかも目の前に居るのは……赤い髪をした…悪魔のような存在の人だった。
冷たいコンクリートの上に座っている…
壁まで追い込まれているようで身動きひとつ取れない状況だ。

「ぇ…ぇ?師匠ぉ!!?」

有り得ない場所に来ている…
確実にさっきまで居た所ではないと把握したが……
ぁ…此処は…何処なんだ!?
色々と有り得ないことがある。
師匠が目の前に居ること
そして知らないこの町の壁に追い込まれて何もできない…
そして次に告げられることが、どんなことかも知らないで…

「おい…アレン…酒買ってこい。ついでに綺麗な女も捜してこいよ?」

ぇ…ちょっと?
僕はこの場を把握できないでいるのに会った瞬間
『酒と女』ですか!!?
という感じに陥った。
考えられないようなことだったので…
アレンは震えながらも首を横に振る。
それが気にくわないのか師匠がバサッと僕の上に何十枚もの紙を落とした…

「こ、これは…!!!」

まさか…こんなところにも出てくるなんて…

「それ、払っておけよ…夕方までに買ってこねぇと、どうなるか解るな?」

そんなに冷ややかな笑顔向けられたら……
やるしかなくなっちゃうじゃないですか?!
いきなり突きつけられた山のような請求書…
おまけに酒を買ってこいとまで言われ…
こんな現状…最悪だぁ!!!
その場で叫んで気づいた場所は先ほど寝ていた所だった

「あぁぁぁあ!!!」

叫んで目が覚めたのは草原の上だった。
あれは夢だったと思えた時のほっとした感じは名泣けてくるほど嬉しいものだった…
アレンにとっては

「あんな恐ろしい夢誰が見させたんだぁ!!」

あの頃を思い出したくないと思うばかりに少し怒り狂ってしまい、その後独りで黒モードになりながらブツブツ昔を語っていたアレンなのでした。
正常に戻っていたのは夜だったと言う話を目撃者は口にしているようだとか。
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そんな事件もあってから少し経過してコムイさんから呼び出しがあった。
特に大した理由じゃないけど、また明日から任務を頑張ってきてほしいということだった。
実はその後にリナリーの話を何時間も聞かされたことは苦痛でしかなかったけど…

「今日ねリナリーとね、一緒に仕事したんだぁv
普段は教団に居ないからね2人でやったの〜♪
いやぁ本当に凄いねーリナリーって何でもできちゃうし〜
その後気がきいてるからコーヒーも入れてくれちゃってさぁw………」

その話はどれくらい続いたかなんて時計を見なければ解らないけど
とにかくこんな話を呼び出されて聞かされたんだ。
途中で神田は耐え切れなくなって出て行ったが…

「俺は、そんな話聞きたくもねぇ…」

コムイさんが、まだまだ先があるのにと子供のように泣いている。
確かに神田のように逃げることができたら、どんなにいいだろうと考えた。
神田は出て行ってしまったが、僕とラビは此処で永遠に話しを聞かなければいけない気がした。

*神田視点*
あんな話をまともに聞いていたら俺の精神が持たない…
あいつの自慢話を聞くのはモヤシとラビに任せることにした。
外を見ればもう月が輝いている…
1日こんなに時が過ぎるのは早いものなのか…月に手を翳せば何も見えなくなる気がした…
少しだけこんな場所に居るのも悪くはないかもしれない。
何も騒ぎが聞こえず調度いい場所だ…

「真っ暗だな…」

ただ、そう呟いてその場に立ち尽くした。
楽しそうな声が聞こえてきて、次の朝にはまた教団から出なければならない。
そんな朝を賑やかにさせてくれるのは…

「神田ぁーおはようの一言くらい言ったらどうです?」

朝からアレンが神田に向かって注意をしている。
不機嫌そうにアレンに言った
今日もまた快晴で、きっといい日になると笑顔で言えそうだ。

「お前に言う必要なんかねぇ…」

また騒ぎになっているとラビが近づいて来る。

「落ち着けって!今日からまた任務なんだからさぁ〜」

3人の声は教団中の誰もが聞いていた。
不思議な噂も立っていたが、それは置いておき
こんな教団での1日も、もしかしたら考えられるかもしれないという話



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