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- Distance -
(6)

 胸だけでは我慢できずに、片手は下に伸びてきた。
 膝を開きドレスの裾から手を入れる。
 もちろん下には何も履いていない。

 くちゅ……。

 股間に触れたばかりで粘液の音がした。
 三ヶ月振りに主人の前でするせいか、いつもより興奮して濡れているらしい。
 思いがけない音を主人に聞かれて、羞恥心が高まり手が止まるが、それも一瞬のことだった。
 押し寄せる快楽の波には抗うことが出来ない。
 にゅるにゅる、と粘液の溢れ出す縦の割れ目にそって指を動していたが、すぐに我慢が出来なくなって、粘液の源泉に向かって指を突き入れた。

 「はあぁぁぁん!」

 ずにゅうぅ……と中指が入っていくのに合わせて、背中がのけ反っていく。
 肩や腰が、びくん、びくんと痙攣した。

 「はぁっ……はぁっ……」

 処女であるだけにユエの膣内は狭い。
 しかし、指一本では足りないのか、中指の動きに薬指が追加される。
 深さも指の根本まで入れ込み、手首までぐしょ濡れにして、一心不乱に突き動かす。

 「あっ、あっ、あっ」

 ずちゅっ、ずちゅっ、ずちゅっ、と主人の前にもはばからず、喘ぎ声と淫猥な音を部屋に響かせた。

 「俺が居ないときもそうやっていたのか?」

 顔を上げると主人のペニスが目の前にあった。
 太い肉茎を自ら握って扱(しご)いている。
 先端からはすでに透明な液が溢れていて、亀頭の下部を伝って握る手を濡らしていた。

 「はい……あっ……ご主人様の逞しいものを想像して……我慢できずにおりました」

 指の動きを休めることが出来ずに途切れ途切れに答える。

 「い、いやらしいユエを、お叱り下さい」

 主人もまた興奮して、手の動きと声を荒げた。

 「この淫乱な蛮族め。お前は何だ?」

 「ああ……ユエは……ユエは……ご主人様の精を受け止める、精液便所でございます」

 多少芝居がかってもいるが、触れ合うことが出来ない二人は、こうやって言葉で互いの快感を高め合っていた。

 「なら、くれてやる、たっぷりとな」

 「ください、ご主人様の濃いものを。ユエに一滴残らずかけてください!」

 主人のものがまた少しユエに近づいた。
 ユエの鼻先から一センチも離れていない。
 固くなった表面は彼女の吐息を感じているだろう。
 ユエも、それの熱を感じる。
 舌を伸ばせばそれを愛撫することが出来る。
 快楽に身を委ねてしまっている今は、理性も吹き飛び、欲求を抑えるのは非常に困難だった。


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