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Pandemic
(4)

 押し倒された。
 女と思えない力だった。
 息が荒い。
 まるで狩りをしている野獣のようだ。
 今、愛の告白をされたような気がするが、確認している間もなかった。
 緋邑は僕の上に馬乗りになると、凄まじい力で僕の制服を破りだした。
 ベルトを引きちぎるほどの力である。
 逃げ出せるはずもなかった。
 彼女が再び唇を求めて覆い被さる。
 片手は僕の股間をまさぐっていた。
 こんな状況にあるにも拘わらず、僕のモノは大きくなっていた。
 これがウイルスの威力なのだ。
 感染者の近くにいるだけで欲情してしまう。
 感染していなくても、触れられただけで性欲の虜になってしまうのだ。
 だが、今はウイルスせいにはしたくない。
 緋邑だからだ。
 相手が緋邑だからこんなことになっていると思いたかった。
 緋邑が僕のモノを自分の股間にあてがった。
 溢れ出す分泌液でそこはヌルヌルだった。
 腰を落とし狭くきつい穴にニュルンと呑み込む。

 「アアアアアアアア!!」

 彼女が背中を仰け反らせ獣のように叫んだ。

 「うわぁっ……!」

 僕も初めての感触に思わず声を上げた。
 まさかこんなかたちで童貞を喪失するとは思っていなかったが、相手があの緋邑なのだから決して悪いことではない。

 「アアッ、アアッ……ジッ、ジギモリグン……ギモヂイイィッ!」

 彼女はロデオでもするように僕の上で腰を揺さぶった。

 「ううっ!」

 僕はあっけなく彼女の中で果てた。
 我慢なんてできないほど、彼女の動きと絞めつけは激しかった。
 射精しても僕のモノはまったく萎える様子はなかった。
 それどころか、さらに固く大きくなっているようだ。

 「ひっ、緋邑ぁっ!」

 僕は彼女の尻に手を回し、鷲掴みにすると、下から激しく突き上げた。
 そのまま、また射精する。
 しかし、欲情は狂おしいほどに高まる一方だ。

 「シ、シキ……モリ……」

 緋邑が僕を見下ろしていた。
 視点が定まらず、どこか死人のようでもあるが、その目から大粒の水滴が溢れて、僕の頬に落ちた。

 「ナユ……コ、ウレ……シ」

 僕はその言葉を聞いていただろうか。
 欲情に駆られ、自分でも信じられない力で緋邑の制服を左右に引き裂くと、露わになった乳房を揉みしだきながら腰を振った。

 「ヒアアアアアアアッ!!」

 空を仰ぎ歓喜の声を上げる緋邑の膣内(なか)にまた大量の精液を放った。
 射精する度に脳から火花が出るようだ。
 だんだん何も考えられなくなる。
 最後に見たのは僕の上で狂ったように腰を振る緋邑那由子。
 最後に聞いたのはその雄叫びのようなあえぎ声。
 そして、緋邑の向こうに見えるあざやかな青い空が……何だかバタバタとうるさいような気がした。



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