Resurrection episode 0 - 羅生門 - (三) 源次はまだ若く体力があった。 そして若過ぎず、美男子と評判であったため女に不自由せず扱いにも長けていた。 それでもこのような女は初めてだった。 ……これが、魔性というものか。 既に女の膣内(なか)に二度放っていた。 鬼は源次の自慢の逸物に絡みついた。 そして、信じられないような力で絞め上げてきた。 腰を動かすことが出来るのは、女の中から止めどなく溢れてくるぬめりを帯びた液のおかげだった。 「うむぅっ……!」 三度目の精を放った。 立て続けに放出したにもかかわらず、かなりの量だった。 肩で息をしている源次の上体を下から押して、女が上になった。 女も頬を紅潮させ、息が荒い。 「素晴らしいぞ、源次殿……!」 鬼女は口元に笑みを浮かべて、うねうねと腰を回す。 「他の男であれば、もう出し切って使いものにならなくなっておる頃じゃが、まだこんなに硬い……そなたなら、わらわを満足させてくれそうじゃ」 精力には自信があったものの、このような短時間に何度も大量に放出した経験などない。 まだまだ硬さを保っていられるのは、源次の体力だけでなく女の妖力がそうさせているに違いないのだ。 すべてを吸い尽くされる恐怖はあったが、激しい快感がそれを消し飛ばし何も考えさせない。 ただ、与えられる快楽に、まぐわうだけの獣になっていった。 「おお……良いぞ、良いぞ……わらわも達しそうじゃ!」 女は上下にあるいは前後に源次の上で巧みに腰を使い快楽を貪っている。 鬼にも大きな波が押し寄せて来ているようだった。 「共にゆこうぞ、かつて辿り着いたことの無い境地に!」 大きな乳房を自ら掴み、揉みしだき、長い舌で乳首を舐め上げる。 やがて、源次の胸板に両手を着くと、髪を振り乱し狂った様に腰を動かしだした。 「アアアアア! 来ル来ル来ルッ、来ルゾォォォォッ! 一番激シイノガ、今マデ来タコト無イノガ来ルゥゥゥ!!」 「うぬっ!」 源次は達すると同時に傍らに置いた太刀を抜き放った。 ギャアッ、と鬼が叫び、飛びずさった。 射精の勢いで一度だけ力を込められたが、二撃目は無い。 腰が不抜けたようにがくがくと動き、勝手に精をまき散らしていた。 何とか身を起こした。 足元に躰から切り離された鬼の腕が転がっていた。 「少しは見所が有ると思ったが、やはり不粋! 不作法! 朴念仁!」 女は腕の切り口を抑え吼えていた。 目をつり上げ、尖った犬歯を剥き出しにした表情は鬼と呼ぶにふさわしかった。 「お恨みしますぞ、源次殿……!」 源次が太刀を構えると、鬼は呻くように云って、片腕で壁を破り外へ飛び去って行った。 源次はぽかんと鬼が去った方角と壊した壁を見ていた。 まともに力比べをしても、とても勝てそうにはなかった。 やがて、鬼が着ていた着物で下半身を拭うと、身なりを正し、鬼の片腕を持って楼閣を後にした。 [*前頁][次頁#] [戻る] |