桃水
夏の終わり。
さよなら。
君の一言に
夏はもう終わったのだと感じずにはいられなかった。
暑い日差しと
打ち寄せる言葉の波が
いつまでも僕たちを繋ぎとめていてくれると
勘違いしていたんだね。
ささやかな憂鬱と
鮮やかな旋律が
こんなにも跡形もなくなくなるなんて
夢にも思わなかった。
君の翼を切り落としてでも
僕のかごの中へ終いこんでしまいたい。
愛してるなんて
安っぽい言葉で君を満足させることはもうできない。
ひと夏の恋だなんて
古い歌のような関係になんてしたくないよ。
さよならの一言で片付くような絆なら
はじめから欲しくなかった。
僕の背中の爪あとは
一生治らない。
君の烙印をこのままにしていかないで。。。
このままにしていかないで。。。
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